【コメント追加】原発廃炉のコストがまた増える、海外部品のトラブル続出
8月8日、3号機燃料プールから核燃料を取り出す燃料取扱機の警報が鳴り停止した。原子力規制委員会の検査で制御系に不具合が見つかった。
この過程で海外製品の多くにトレーサビリティー(製造履歴管理)ができていなかったことが判明した。
この燃料取扱機は東電が東芝に発注し、米ウエスチングハウスが製造した。東電福島第一廃炉推進カンパニーの小野明代表は「発注当時は東日本大震災から日が浅く、現在の品質管理レベルになかった」と説明する。
製造工程での記録がなく、実際にケーブルを外してコネクターを分解して不具合を突き止めるなど、原因究明に時間を要した。
この教訓を受けて東電は海外製品や初参加の企業用に調達基準を定める。1次調達先以降の製品の品質を確保するために、製品の仕上がりに加えて途中段階でも東電が品質を確認する仕組みを整える。東芝に限らず全ての調達先に適用する。
ただ福島第一の現場では多彩な機械装置や電気設備が稼働している。機械系部品は製造履歴を把握しやすいが、電機設備は基本的には民生品を利用しないわけにはいかない。
コネクターのような部品一つひとつを海外製が含まれるか否か、すべて見直すには大きなコストが生じる。小野代表は「どの会社を使うか、下の方まで発注者として元請けに要求していく」という。そのコスト増加分や現場の負担増の評価はこれからだ。
(文=小寺貴之)
