iPhone XS Maxの製造原価は約5万円?からiOS 12.1でのカメラ強化まで。最新アップルの噂まとめ
Reuters

新iPhoneやApple Watch Series 4も予約した人々のお手元に届き始め、カメラやバッテリーの持ちなど「使い勝手」が話題持ちきりの9月下旬。気になるiPhone XS Maxの製造原価から、未だ眠れる機能のeSIM/心電図センサーまで、1週間の噂をまとめて振り返ります。

iOS 12アップデート後、iPhone Xのコントラストに不具合?キャリブレーション不調のうわさ



今月リリースされた最新のiOS 12にて、iPhone Xのディスプレイ画質が劣化している旨が、海外の大手ネット掲示板やTwitterなど各種コミュニティで報告されました。

「ディスプレイが少し色あせて、黒が灰色よりに見える」「色とコントラストが台無しになった」など一部のユーザーから声が上がっているとのこと。シリーズ初のOLEDディスプレイを搭載し、美しい画質と色合いを誇っていたiPhone Xだけに、小さくない問題と言えます。

「色を自動調整するキャリブレーションが上手く行ってない」との見方もある一方で、デジタル写真関連サイトのDPreviewが「特に大きな変更は認められなかった」と述べているなど、本現象は広く確認されているとは言えません。

とはいえ、iOS 12は一部アプリのクラッシュなども報告されています。まだインストールされていない方は、より安定したマイナーアップデート版を待ってもよさそうです。

新型iPhone、アップルにとって最大の旨味はストレージの利益?部品の値下げが価格に反映されてないとのうわさ



シリーズ史上初めて「定価が1000ドル近く」となったiPhone Xを、さらに上回る価格設定となったiPhone XSとiPhone XS Max。その構成パーツの中でも、内蔵ストレージが最もアップルにとって美味しいのでは?とのアナリスト分析です。

すでに世界中の隅々まで普及し、年々スマートフォンの売上が減速しているなか、アップルの戦略の1つがコモディティ化した部品からより多くの利益を上げること。そこで取られた戦略が、ストレージ容量の差額を分厚くする方針というわけです。

iPhone XSの場合、内蔵ストレージ64GB版と512GB版の価格差は350ドル。対してコストの増加は約109ドル止まりで、「1台あたり241ドル儲かる」と見積もられています。

iPhone XS/XS/Maxに64GB版と256GB版に加えて、昨年はなかった512GB版が投入された事情が透けて見えそうです。

iOS 12.1ベータで撮影しながら背景ボケ調節が可能に。iPhone XSのカメラがますます進化?



iPhone XS/XS Maxではポートレートモードで撮影した写真が"撮影後"にボケ度合い(被写界深度)調節できることが好評ですが、開発者向けiOS 12.1ベータで撮影中にリアルタイムで調節が可能になっているとのニュースです。

iPhone XS/XS Max/XRに共通している「A12 Bionic」チップにはニューラルエンジンが搭載されており、カメラ機能の強化にも反映されています。ニューラルエンジンの可能性はそれに留まるものではありませんが、一般ユーザーにとって最もわかりやすい恩恵ではあります。

今のところ正式リリースの時期は不明ですが、ドイツのサイトMacerkopfはiOS 12.1の最終バージョンが10月下旬に公式リリースされ、そこで実装されることを予測しています。もし実現すれば、かつてないカメラの楽しみ方が開拓されそうです。

iPhone XS MaxがXSの3〜4倍売れている?512GBモデルも「深刻な品不足」とのアナリスト観測



これまでにない高価格の設定で、一部では売れ行きを危ぶむ声もあったiPhone XS Max

いざ発売されてみれば、需要は「予想以上に良い」とされ、なんとiPhone XSよりも3〜4倍も人気があるとのこと。しかも最も高額な512GB版が「深刻な品不足」という驚きの観測です。

アップル製品関連の予測で知られるアナリストMing-Chi Kuo氏によると、さらにiPhone XS Maxの勢いは加速していくとか。アジア市場やギフトシーズンのおかげで、今年の10月から12月にかけて出荷が着実に増加するとされています。

iPhone XSとiPhone XS Maxの同じストレージ容量モデルにおける価格差は100ドル。400〜500ドルの価格帯では100ドルは大きな差となりますが、1000ドルを超えた世界では誤差の範囲に過ぎず「ちょっと足して、より大画面」的な感覚かもしれません。

iPhone XSとiPhone XS Max、iPhone Xよりもバッテリー持続時間が短い?海外レビューサイトが報告



iFixit

海外レビューサイトTom's Guideが各社スマートフォンにつきバッテリー持続時間のテストを実施したところ、ある条件下ではiPhone XS/XS Maxが昨年モデルのiPhone Xを下回ったとの報告です。

テスト内容は、True Toneと明るさの自動調節をオフ、150nitsの輝度に設定して、4Gデータ通信により連続Webサーフィンを行うというもの。その結果、iPhone XS Maxが10時間38分、iPhone XSは9時間41分で、iPhone Xの10時間49分に及ばなかったとされています。

アップル公式の「インターネット通信」の最大時間は、iPhone XSが12時間、iPhone XS Maxが13時間、iPhone Xが12時間とのこと。デバイスの使用状況によってバッテリーの持続時間は劇的に変わることがありうるため、アップルのいう「インターネット通信」とToms's Guideのテスト条件とは大幅に異なる可能性もあります。

とはいえ、Webサーフィンはスマホユーザーにとって頻度が高い行為には違いなく、日常的に運用する上で「このぐらいでバッテリー持ちが危うくなる」目安の1つになるかもしれません。

iPhone XS Max(256GB)の製造原価は約5万円?3D Touch関連の部品削減でコスト減との分析

iFixit

新iPhoneの分解結果をレポートする様々なサイトがあるなか、「このパーツ、おいくら?」を見積もり、製造原価を推計したのがTechInsightsです。

iPhone XS Max(256GB)の原価見積もりは、昨年のiPhone X(64GBモデル)の395.44ドル(約4万5000円)に対して約443ドル(約5万円)。日本円にして約5000円という僅差となっています。

最も高価なOLEDディスプレイが80.50ドル、次いでA12 Bionicチップとモデムの合計が72ドル......と部品コストと組立費用を積み上げた結果が443ドル。これをアメリカでの販売価格1249ドルから差し引くと、アップルの利益は1台あたり806ドル(約9万1000円)という計算となります。

この中には研究開発費や人件費も含まれていない上に、443ドルという数字も一般的な市場価格からの推定に過ぎず、「アップル儲けすぎ」と結論を下すのは早計です。製造原価のカット努力にもコストがかかっていると思いつつ、冷静に受け止めたいものです。

iPhone XS/MaxのeSIM設定はiOS 12.1で可能に? 開発者向けベータで確認



iPhone XS/XS Maxに内蔵されたeSIMは、有効となるのは「年内にリリース予定のiOS 12のアップデートをインストール」待ちとされています。これが開発者向けiOS 12.1ベータ1にて、ソフト的には設定可能となりました。

ただしiPhone内の設定に項目が追加されたにすぎず、実際に使うためには国内キャリアの対応を待つ必要があります。eSIMを有効にするには通信キャリアが提供しているQRコードのスキャン、ないしアクティベーションコード等の入力が求められますが、現状ではどちらも存在しません。

中国・香港・マカオ版の「物理的にnano SIM2枚挿し」仕様であれば、既存のSIMカードを挿せば今すぐにでも使用できます。わざわざ香港に飛び、DSDS版iPhone XS Maxを入手された方々も(技適マークがないため国内回線は使えませんが)少なからずいそうです。

iPhone XSになくてMaxにある「画面の拡大表示」、iPhone XRも対応?



iPhone 6/6 Plus以降で導入されたものの、iPhone Xではなくなっていた「画面の拡大表示」。この新機能がiPhone XSにはなく、iPhone XS Maxだけに復活しています。

「画面の拡大表示」は、アイコンや文字などのユーザーインターフェースを引き伸ばして見やすくする、老眼にも優しい仕組みです。

なぜiPhone Xでは廃止されたのかといえば、それ以前のiPhoneとはアスペクト比(画面の縦横比)が異なり、旧機種向けのアプリを単純に拡大できなくなったから。iPhone XS Maxで復活したのは、同じアスペクト比を持つiPhone X用のアプリが問題なく拡大表示できるから。

iPhone XSでサポートされていないのは、iPhone Xと画面サイズが同じで、意味がないから......と推測できます。

そして予約受付を10月に控えるiPhone XRは、iPhone X/XSと同じアスペクト比で、画面サイズも大きい。つまり、拡大表示がサポートされる可能性が高いと思われます。もっとも「5.8インチから6.1インチ」の差はわずかなため、効果を実感しにくい可能性もあります。

Apple Watch Series 4、台湾Compalが第2サプライヤーに追加のうわさ。生産能力が限界に達している?



Apple Watch Series 4の組み立てを担当しているQuantaの生産能力が限界に達し、同じく台湾のCompalが2番目のサプライヤーとして参加し、11月に量産を開始するとのうわさ話。ソースは台湾のサプライヤー情報に詳しい業界誌DigiTimesのため、信憑性は高いと思われます。

有名アナリストMing-Chi Kuo氏もSeries 4の売れ行きが「期待よりもはるかに良い」と観測していましたが、工場をフル稼働しても追いつかないほどの勢いのようです。

「手首に巻き付けるAI」や「ランニングでも使いやすくなった」など好評が聞こえてくるSeries 4。アップル直販サイトでは10月下旬以降にお届け、国内大手通販サイトでも「お取り寄せ」となっている品薄ぶりですが、じきに入手しやすくなるかもしれません。

Apple Watch Series 4の心電図機能、イギリスの認可は数年かかる?英当局が回答



デジタルクラウンと背面に電気心拍センサーを内蔵することで、心電図の作成や心房細動(Afbi)の兆候が検知できると謳われたApple Watch Series 4。

そうした新機能が「医療」を強調しているため、各国で医療機器として規制の対象となり(日本では薬機法)、アメリカ以外では「いつ利用できるか」の見通しが不透明となっています。

では、例えばイギリスでの認証はどの程度かかるのか。米9to5Macが英MHRA(医薬品・医療製品規制庁)に問い合わせてみたところ「数年かかる可能性もある」との回答が得られたとしています。

手短に言えば、これまでアップルが採取してきたデータは使えず、改めて現地の医療機関に臨床調査をゼロから行ってもらうため、CEマーキング(EU内で販売される製品がEU基準に適合していると示すマーク)取得に時間がかかるかもしれないということです。

ただし、イギリスは2019年3月29日までは「EU加盟国」であり、医療機器が迅速に認可されやすい他のEU諸国(たとえばドイツ)を経由する抜け道もあり得るとか。命にも関わる心房細動の兆候をカジュアルに検知できる機能を、日本でも1日でも早く提供を望みたいところです。