全米オープンから9連勝と好調の大坂なおみ【写真:荒川祐史】

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サーブに苦しみながらもストレート勝ち

 テニスの「東レ パンパシフィックオープン」(アリーナ立川立飛)は21日、シングルス準々決勝を行い、全米オープンを制した世界ランク7位で第3シードの大坂なおみ(日清食品)は同25位のバルボラ・ストリコバ(チェコ)に6-3、6-4でストレート勝ち。準優勝だった2016年以来、2大会ぶりに4強入りした。大坂はこれで全米オープンから9連勝。失ったセットはわずか「1」と圧巻の快進撃を続けている。圧勝だった初戦から一転、この日は序盤からサーブに苦しみ、ミスも出たが、気持ちを切らすことなく勝ちきる勝負強さも見せた。

 最後の最後に“新幹線サーブ”を力強く決めた。第2セットの第10ゲーム。デュースから2本連続でサービスエースを叩き込んだ。ホッとした表情でストリコバと握手。わずか59分で勝利した初戦からは一転、苦しみながらも、準決勝進出を決めた。

 この日もチケットは完売。平日の昼間にも関わらず、超満員の観衆の前での一戦。初戦とは違って、ファーストサーブが入らない苦しい展開だった。ファーストサーブが入った確率は51パーセント。それでも大坂は冷静だった。約半分しか入らない中でも、ダブルフォルトは0。勝負所でダブルフォルトを連発したストリコバとは対照的だった。

「とても難しく厳しい戦いを強いられました。最高の試合ではなかったかもしれないけど、修正して勝利を手にすることができました」。試合後、大坂は冷静に振り返った。ミスが続きイライラしてもおかしくない展開だったが、我慢した。不調だったこの日のサーブについても、全く深刻には捉えていない様子だ。

「全ての試合でパーフェクトは不可能」“割り切り”が生んだ安定感

「サーブに関しては、ピンチになったときにはいつか助けてくれるだろうと思っている。だから今日は、そこで違ったことをしようとは思っていなかった。まずかったのは、ややトスを前にあげてしまっていた。だからネットにひっかかってしまった。そういう点は簡単に修正できる点です」

 だからこそ、崩れずに立て直せたのだろう。異例の注目度の中、ミスが続けば、精神的に追い込まれてもおかしくなさそうなものだが、「全ての試合でパーフェクトは不可能」と割り切った。「今日はやらなければいけないことはできたと思います」と自身のプレーに及第点を与えていた。

 精神面の安定は確実に増している。凱旋優勝まで残り2つ。「大会で優勝したいという思いがある。ここでぜひ勝ちたい。それがいつも必ず頭にはあります。自分の最高のテニスをして良い結果を残せるように努力したいと思います」と力強く誓った。(THE ANSWER編集部)