4G VoLTEガラケーは当たり前、3Gイエデンワも作る謎メーカーMaxComとは
最近は日本でも通話オンリーのフィーチャーフォン(通称「ガラケー」)人気が再加熱していますね。4Gに対応した「NichePhone-S 4G」などは、スマートフォンと併用して使いたくなる製品でしょう。

そして海外では、まだまだガラケーはあちこちで売られています。とはいえそのほとんどは2G=GSM対応品。日本では使えないものばかりです。

ところがポーランドのMaxComというメーカーは、次々と送り出すガラケーがほぼ3G対応という面白い企業です。3Gは4Gほど周波数の種類は多くなく、900MHzや2100Hzに対応していれば、日本を含む大抵の国でも使えるのです。

8月末からベルリンで開催されたIFA2018でMaxComのブースに立ち寄ったところ、置いてあるガラケーは確かに「3G」の表記があるものばかりでした。



ブース内をよく見てみると「KaiOS」の表記も見えます。KaiOSはフィーチャーフォン向けOSながらネット接続機能を備え、グーグルが出資したことでGmailやグーグルマップなどのアプリも使えるようになった経緯を持ちます。ノキアの復刻版バナナフォンこと「Nokia 8110 4G」にも採用されているOSです。



そのKaiOSを搭載したMaxComのガラケーが「Classic MK241」。見た目は格安なケータイですが、4Gに対応しVoLTE通話さえ可能です。

ディスプレイは2.4インチQVGAとブラウジングやアプリを使うには向いていませんが、SNSのタイムラインをテキストで読むくらいなら使えそう。なによりも低価格な携帯電話なのに、VoLTE対応でクリアな音質で通話が可能というのは魅力でしょう。



こちらは上位モデルの「Classic MK281」。ディスプレイが2.8インチと大きくなり、Wi-Fiも搭載します。おそらく4Gルーター機能も搭載していそうです。



カメラはMK241が200万画素、MK281が500万画素のパンフォーカス仕様。おまけ程度と考えたほうがいいですが、Facebookにも対応するので、メッセンジャー利用くらいならありかもしれません。

KaiOS搭載フィーチャーフォンは少しずつ増えているので日本語入力への対応が望まれます。



このほかにもMaxComには注目モデルが。まずは日本では「イエデンワ」の通称が一般的となった、固定電話タイプの製品「Comfort MM290」。これも3G対応です。

Wi-Fi非搭載というのがちょっと残念ですが、Bluetoothは搭載。バッテリーは600mAhと本体からすると小さめですが、それでも待ち受け時間は5日間と長めです。



SIMスロットはさすがに標準SIM(ミニSIM)ですが、ナノSIM全盛でもこのカバータイプのスロットならそのまま使うことができます。SIM下駄などは使わず、ナノSIMの端子の位置を合わせてスロットの端子の上に乗せればOK。慣れれば誰でもできるはず(筆者はSIM下駄否定派です)。



次は、MILスペックに対応していそうな「Strong MM916」。こちらはIP67の防水防塵対応のタフなフィーチャーフォン。もちろん3G対応です。

このデザインなら日本で出しても十分ありかと思われますが、MaxComの担当者に話を聞くと「日本?うーん」と、遠い市場と思っているようです。でも「日本でもフィーチャーフォンは売れるの?」と聞かれたので、今だからこそサブ機に買う人もいるという話をしておきました。



そして最初の写真にもある「Comfort MM751」。こちらは大型ボタンやデカ文字を使った、年配者向けの簡単ケータイ。これまた3Gに対応しているのです。色遣いや上下非対称のデザインなど、見た目も考えられた製品になっています。

           


海外の多くの中小メーカーのフィーチャーフォンは、今でもまだまだ2G端末ばかりという状況です。にもかかわらずMaxComは、なぜこのように、3Gや4G VoLTE対応のフィーチャーフォンを作るのでしょうか。その理由を聞いたところ、なんといっても市場のニーズが増えているからとのこと。

確かに今では3Gや4Gのカバレッジは広がっていますし、2Gを停波するキャリアも増えています。またキャリア側としても、VoLTE対応フィーチャーフォンなら低価格なデータ料金パックとセットで売りやすいでしょう。

そして4G/5Gがこれから主流になっていく中で、低コストだからと言っていつまでも2Gの端末を作ってるようでは、将来はありません。スマートフォン全盛時代であってもフィーチャーフォンユーザーは無くなりせん。先見の目を持ったMaxComの4Gガラケー、日本にもぜひ投入してほしいものです。