深い仲になった瞬間、男の気持ちが一気に冷めた理由。女が絶対やってはいけない“マーキング行為”とは
恋とは、どうしてこうも難しいのだろうか。
せっかく素敵な出会いをしても、相手に「また会いたい」と思わせない限り、デートにも交際にも発展しない。
仮に、順調に駒を進められても、ある日突然別れを突き付けられることもある。
しかし一見複雑に絡み合った恋愛でも、そこには法則があり、理由がある。
どうしたら、恋のチャンスを次のステップへ持っていけるのか、一緒に学んでいこう。
今回は、お泊まりデートで向こうの態度が急変した謎という宿題を出していた。
朱莉と出会ったのは食事会だった。
小柄で可愛らしい雰囲気の中に、どこか意思の強さも感じる。スタイルも良く、上手く男心をくすぐるような女の子だった。
「智裕さん、今は彼女いないんですか?」
最初からグイグイと来る朱莉に、悪い印象はない。むしろこんなに可愛い子から迫られて、嫌だと思う男はいないだろう。
「うん、今はいないよ。朱莉ちゃんは?」
「い、いません!絶賛募集中です!」
朱莉の一生懸命な感じに、思わず笑ってしまった。
「朱莉ちゃんって面白くて可愛いよね」
こうして僕たちは連絡先を交換し、早速デートをすることになる。
最初、僕は朱莉を結構気に入っていた。
しかし何度目かのデートで、彼女に対する僕の気持ちは一気に冷めてしまったのだ。
朱莉がやってしまった、男を一気に冷めさせる行動とは?
解説1:自然な流れでお泊まりは全く問題なし。むしろグッドタイミング
朱莉との初デートは、都立大から六本木に移転して気になっていた『けやき坂 わさ』を予約した。
料理の写真撮影は禁止、よってSNSなどにも投稿できない店であるが、食事が出てくるたびに歓喜の声をあげる朱莉に、なんとも微笑ましい気持ちになる。
「朱莉ちゃん、本当に今彼氏いないの?なんで?こんな可愛いのに」
「え?なんでだろう…。あまり好きになれる人がいなくて」
可愛いし、性格も良い。彼氏がいないのは不思議だった。そんなことを考えているうちに、僕はつい本音を漏らしてしまった。
「そうなんだ。僕、結構朱莉ちゃんのことタイプなんだけどなぁ」
そう言った途端に、嬉しそうに満面の笑みを浮かべる朱莉。
この日は2軒目まで行ってサラリと解散したが、ここから何度かデートを重ねた。そしてある晩、僕はついにこの言葉を発したのだ。
「今から、家来る?」
そうして朱莉は僕の家に泊まり、朝方帰って行ったのだった。
この日から、朱莉からの連絡頻度はより一層高くなった。
もともと押しが強かったが、毎日のように来るLINE、次のデートの誘い。積極的過ぎる朱莉に腰が引けていたものの、なんとなく彼女の強引さに流され続けていた。
次のデートでもご飯を食べ、飲んだ後は当たり前のように我が家へ泊まりにやってくる。
-そろそろ、ちゃんと向き合わないといけないかな…。
心の内ではそんなふうに思っていた。
誰かを傷つけるつもりは毛頭ない。こちらも遊びで朱莉を誘っていたわけでもない。
少し戸惑っていたとは言え、この時までは、僕なりにきちんと彼女と向き合う気でいたのだ。
しかし次のデートの朱莉の行動で、僕の気持ちは一気に冷めてしまった。
あなたもうっかりやっていませんか?お泊りデートのNG行為
解説2:いきなり“彼女面”は引く。化粧品を置くタイミングが早すぎる
次のデートは、『青山はしづめ』を予約した。最初は楽しく食事をしていたのだが、突然朱莉が真顔で切り出す。
「智裕、今度みんなでご飯食べない?」
発言の意味がよく分からず、僕はたずね返す。
「みんな?みんなって誰??」
「私の親友の祐美がね、智裕に会いたいらしいの」
-え…マジか。ちょっと面倒臭いから、パスしたいなぁ…。
咄嗟に、そう思った自分がいた。
そもそも、僕たちはまだ付き合ってもいない。どうやって僕は紹介されるのだろうか?
加えて女性が言う“親友”ほど、厄介なものはない。
どうせ朱莉がお手洗いか何かで席を離れた隙に、その親友という人物から「どうなの?朱莉のこと、本当に好きなの?」などと聞かれ、この煮えきれぬ関係を突つかれるに決まっている。
そしてその答えを、後でこっそり朱莉に言うのだろう。
そんなやり取りが目に浮かび、僕は苦笑いしながら答える。
「え〜なんか恥ずかしいなぁ。僕で大丈夫かな?なんかジャッジされそうで怖い!」
「絶対に大丈夫。こんな素敵な“彼”、なかなかいないから」
この朱莉の発言には硬直してしまった。
-今、“彼”って言った?僕たち、まだ付き合っていないんだけどな…。
そう思いながら、僕はぎこちない笑顔を浮かべていた。
結局この日も、なんとなく朱莉は我が家へ来る流れになったが、そこで朱莉が放った発言に、どう答えて良いのか分からなくなった。
「そう言えば、これ置いていってもいい?」
そう言うと、朱莉は化粧水やクリーム、コンタクトレンズの予備などを鞄の中から次々に取り出し、僕の家の洗面台におもむろに置き始めたのだ。
「そうだよね。毎回持ってくるの、面倒だもんね。女の子って本当に大変だね」
そう言いながらも、僕は困惑していた。
過去に泊まったのは、2回のみ。今回を含めると3回目だが、家に来る前から既に準備万端だったということなのだろうか。
しかも、正式に付き合っているわけでもない。彼女でもない。同棲をしているわけでもない。
それなのに、この戦闘態勢はなんだろうか。まるでマーキングのような行動に、僕は一気に冷めてしまった。
◆
結局その日以来、僕の方から朱莉に連絡をすることはなくなった。
変な勘違いをさせるのも悪いと思ったし、何よりも“自分が彼女です”的な態度に引いてしまったのだ。
-もう少し、ゆっくり進めたかったのになぁ…。
きっと、朱莉がもっとスローペースだったら事態は変わっていた。
化粧品をガツガツと置いたりせず、友達にも“彼氏です”というテンションで紹介しようとしなければ、お互いゆっくりと進められた。
僕はそんなことを思いながら、朱莉から未だに来るLINEに対し、どう返信を打つべきか悩んでいる。
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