「人として尊敬できる」長友が絶賛した選手とは?【写真:Getty Images】

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長友、“腐らず、ふてくされず、へこたれず”を貫いたDF槙野を名指し

 日本代表は現地時間2日、ロシア・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦でベルギーと激突し、2点を先行するも追いつかれ、後半アディショナルタイムに痛恨の逆転ゴールを許して2-3で敗れた。

 初のベスト8進出は叶わなかった日本だが、DF長友佑都はある選手の献身的な姿に心を打たれたと明かし、「人として尊敬できる」と語っている。

 日本代表は史上初のベスト8進出に肉薄したが、2点差をひっくり返される逆転負けを喫してベスト16で大会を後にした。左サイドバックで4試合にフル出場した長友は「11対11では勝っていない。ベルギー戦、良い試合をしたかもしれないけど、結局自分たちの実力がベスト16にも及ばないというのが正直ある」と振り返っている。

 ロシア大会では、試合早々に相手に退場者が出たグループリーグ初戦コロンビア戦(2-1)のみの勝利に終わっており、第2戦セネガル戦(2-2)、第3戦ポーランド戦(0-1)という結果に終わった。その一方で、ベルギー戦の戦いぶりについては「自分たちにできることを出したと思う。世界に恥じないプレーができた」と胸を張っている。

 そんななか、長友は「後輩なんだけど、人として尊敬できると思った」と名指しした選手がいる。ロシア大会ではポーランド戦のみの出場に終わったDF槙野智章だ。当初、西野朗監督率いるチームで主力と見られた槙野だが、大会が始まるとDF昌子源にスタメンの座を奪われた。それでも槙野は“腐らず、ふてくされず、へこたれず”を貫いていたという。

長友も感銘「そんな姿を見ていて、素直にリスペクトの気持ちが出てきた」

 槙野の言動を間近で見ていた長友は、その様子を次のように語っている。

「槙野は試合に出られない選手、練習メンバーをまとめて声を出していた。常にロッカールームでも声を張り上げていた」

 大会直前でスタメンの座を奪われ、選手として悔しさがないはずがない。それでも槙野はチームの盛り上げ役に徹し、声を張り上げて雰囲気作りに注力した。そんな行動を見ていた長友は感嘆の声を漏らしている。

「そんな姿を見ていて、素直にリスペクトの気持ちが出てきたし、今後、彼に大きなチャンスが絶対来るなと。僕は彼の行動を見ていて思いました」

 二人は現在ともに31歳だが、学年では槙野が一つ下にあたる。長友もあえて金髪に変身するなど、チームの雰囲気を明るくしようと試みていた。後輩・槙野が置かれていた立場を踏まえながら、同じムードメーカーとして感銘を受けたようだ。(大木 勇(Football ZONE web編集部) / Isamu Oki)