LEADERS online /  南青山リーダーズ株式会社

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起業と経営理念

ペッパーフードサービスは、「ペッパーランチ」「いきなり!ステーキ」以外にも、10以上の肉料理のお店を出店している。

これを受けてタケが、起業とその成功の秘密について聞いてみた。

タケ:
起業して成功する人もいれば、失敗する人もいます。その差は何でしょうか?

一瀬:
諦めるか否か。やってみてそんな簡単に上手くはいかないのですが。

しかし、やっていく中で諦めたり、他のことを始めてしまい深みにはまってしまうこともある。もちろん、起業はしないと成功しないが、必ずしも成功するとも限らない。それについてこう答えた。

一瀬:
win-win。さらに進めて、『ビジネスは相手が勝つこと』です。

ペッパーランチは対昨年同月比で、64か月の成長を成し遂げているものの、大阪での事件やO-157騒動もあった。

だが、これを経験したから今がある。

勝つまでにはいろいろなことも経験し、その反省があったから、より食べ物の扱いが慎重になったのだ。

一瀬:
その事業を辞めた時が失敗で、辞めなければ失敗にはなりません。そして素直な人は成功します。それは人の喜びが自分の喜びと感じられるような人です。

こうした素直さに加え、困難に当たったとしても、明日のことは考えず、それよりもずっと先のことを考えているのだという。

創業者らしい前向きな考えである。

一瀬イズム

インタビュー中、タケは今の一瀬社長を社長たらしめる言葉について聞いてみるとこう返ってきた。

●「自分さえよければいいはダメ」

親の教えだというこの考え。これがなければ、前述のWIN-WIN、一歩進んで「ビジネスは相手が勝つこと」という考えにも至らなかっただろう。

●「決意は自分との約束である」

人との約束は反故にしない。しかし、禁煙やダイエットなどの決意は皆途中で辞めてしまう。そして、決意を止めると、自信が無くなる。

さらに、ペッパーフードサービスの一瀬社長が大事にしている言葉が「馬上行動」。社内報のタイトルでもあるが、「スピード感をもって、走りながら考える」という意味である。

そんな一瀬さんが20年以上、自ら手掛けている社内報への想いとは?

一瀬:
きっかけは、倒産寸前だったことです。

じり貧状態でありながら、対外的に「この会社は元気だ」とアピールすべく大決起大会を盛大に催した。もちろん完全なるハッタリである。

しかし、そこには大勢の人が集まり、そこで今後の展望を話した。そして、そこではとどまらず、その時の想いを、社内報にした。

記事を集めて、写真を挿入、69号まではすべて自分で作ったという社内報。

一瀬:
もし途中で出せなくなったら、この会社は倒産する。みんなにそう言いました。

決意は自分との約束。

人に言わないと都合で変えてしまう。

だからそれができない環境を作り、社外にも配った。大変だった時のことを振り返れる。そしてこれを続けたから一部上場できたといっても過言ではないと振り返っている。

本社にある「いきなり!ロケット」
目指せ日本一

飲食店をやる以上、独立し社長になりたいと考える人も多くいる。

そこに「社長システム」なるものを導入したペッパーフードサービス。これは、店長を務める社員が一度退社し、改めて会社と契約。加盟金等、初期投資なしで経営者になれるチャンスを与えている。

社長として店舗を仕切るシステムだ。

タケ:
このシステムの意義は何でしょうか?

一瀬:
社長になりたいという夢を実現できることです。こうすることで眼の色変えて一生懸命取り組んで、間違いなく収入が増えます。これが社長システムの特徴なんです。

独立を希望する社員を社長として雇用しているペッパーフードサービス。では当の一瀬社長はこの会社をどうしたいのだろうか?

一瀬:
外食産業で、日本一働きたい会社にしたい、と4〜5年前から思っています。そして言ったらその通りになるがウチ流です。

今は働く喜びを感じ、余裕ができており、「一番元気がある会社」とも外からは言われている。

タケ:
では次なる野望は何でしょうか?

一瀬:
日本一、給料を払える外食産業の社長になりたい。ひとりひとりが社長代行の気持ちで働いたら、人手不足は解消しますよ。

人手不足に対して、機械化ではなく、人が人にサービスするのが一番いいとも語っている。

従業員が安定して働ける職場、そこにしっかりとお金を支払うことで、飲食店本来の暖かいお店づくりに尽力しているのだそうだ。

ペッパーフードサービスの躍進の秘密、そして一瀬社長の正体。

それは、「大好きなもの、自信のあるものを売る」「本能を刺激するビジネス」「ビジネスは相手が勝つこと」などから見える、素直にストレートで勝負する姿勢であった。

これだけの急成長を続ける企業なので、バッターボックスで変化球を待っていた取材班は、思わぬストレートに隙を突かれてしまった。

もとい、ミートし損ねてしまった。

文化放送『The News Masters TOKYO』のタケ小山がインタビュアーとなり、社長・経営者・リーダー・マネージャー・監督など、いわゆる「リーダー」や「キーマン」を紹介するマスターズインタビュー。音声で聞くには podcastで。

The News Masters TOKYO Podcast 文化放送「The News Masters TOKYO」
http://www.joqr.co.jp/nmt/ (月〜金 AM7:00〜9:00生放送)
こちらから聴けます!→http://radiko.jp/#QRR
パーソナリティ:タケ小山 アシスタント:西川文野(文化放送アナウンサー)
「マスターズインタビュー」コーナー(月〜金 8:40頃〜)

【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/



(前編:「いきなり!ステーキ」はなぜ立ち食いになったのか? )