小田急電鉄が新宿駅西口地下改札内トイレを全面リニューアル。「利便性」と「安らぎ」を追求、同社初の授乳室と大型荷物一時保管装置を設置しました。

面積は2倍以上に拡大

 小田急電鉄が、新宿駅西口地下改札内トイレを全面リニューアルしました。利用開始は2017年12月15日(金)からです。


トイレ内に設置された情報ディスプレイ。空き情報を把握できる(2017年12月14日、乗りものニュース編集部撮影)。

 2014年より同社が進めてきた、駅中央連絡口改修工事が進んだことによるもの。「駅の喧騒の中、ひととき安らぎを感じる場所としてのトイレ」というコンセプトのもと、「利便性」と「安らぎ」を追求した作りにしたといいます。

 今回の改修に伴い、これまで駅務室のあった場所までトイレを拡張。面積は80.3平方メートルから173.8平方メートルと、2倍以上の広さになりました。

 改修は「利便性」の面から、次の5点を向上させました。


新宿駅西口地下改札内トイレのレイアウトイメージ。共有部分に多目的トイレがふたつ設置されている(画像:小田急電鉄)。

・女性5ブース、男性1ブース、小便器1台を増設。全洋便器へウォシュレットを設置。

・ユニバーサルデザイン充実のため、多目的トイレ2箇所と男女各トイレ内に広めのブースを設置。

・授乳室やオムツ替え室、子どもトイレを併設し、多目的トイレの機能を分散。

・新宿駅構内にある全3箇所のトイレの空き状況が分かる情報ディスプレイを設置。

・大型荷物一時保管装置「Baggageport(バゲッジポート)」をトイレ広場に6箇所設置。

 また「安らぎ」の面では、以下の3点を新たに打ち出しています。

・調光システムで、四季や昼夜の変化に対応する照明を実施。

・グループ会社の小田急ランドフローラと連携して生花などを設置し、季節感を演出。

・寄木細工を使ったデザイン壁を採用し、ウッディでぬくもりのある空間を演出。

授乳室と「Baggageport」は小田急で初導入

 授乳室と「Baggageport」は、小田急電鉄の駅施設で初の導入。授乳室にはインターホンが設置されており、非常時に駅係員を呼ぶことができます。「Baggageport」は、近年急増するインバウンドなどを見越して設置されました。交通系ICカードやクレジットカードなどで施解錠できます。


今回初導入された型荷物一時保管装置「Baggageport」(2017年12月14日、乗りものニュース編集部撮影)。


 情報ディスプレイは、トイレの空き状況をリアルタイムで確認できます。加えて、駅構内にある小田急電鉄の残りふたつのトイレ(西口地下改札外トイレ、南口改札内トイレ)の空き状況も把握可能。こちらは10秒おきに更新されます。

 またスマートフォンアプリ「小田急アプリ」で今後、個室トイレの空き情報を確認できるようになるそうです(現在は西口地下改札外トイレと南口改札内トイレのみ)。


今回初導入された授乳室。子どものことを考え星型のライトが設置されている(2017年12月14日、乗りものニュース編集部撮影)。


 壁に寄木細工を採用したり、トイレ内にウッディな質感を打ち出したりしたのは、小田急電鉄と深い関わりがある「箱根」をイメージしたため。小田急電鉄によると「新宿にいながら、箱根の『奥座敷感』を味わえるようにしたかった」とのこと。

 トイレ内の花は西新宿にあるホテル「ハイアットリージェンシー東京」でバンケット(宴会)デザインを務めるスタッフが週3回、メンテナンスを実施。花の種類は1か月ごとに変えられます。