オランダの学術出版社が日本の大学の研究支援で存在感を強める理由
同社は支援する顧客大学に対し、特定分野の論文の数や共著、引用関係を全学・部局・研究者の各段階で分析する。これにより、著名大学・研究者とのつながりや他分野との学際融合の状況を効率的に把握できる。同社アジア太平洋地域グローバルストラテジックネットワーク部門のアンデーシュ・カールソン副社長は、「競争相手と比較した強み・弱みも明らかになる」と強調する。
こうした情報は、各大学の中期計画などの研究力強化策の立案や研究拠点の新設計画などに有用だ。また共同研究実績のない研究機関との連携模索や、新学部設置に向けて他機関で声をかける研究者の検討にも活用できる。
従来は研究者個人のネットワークに頼っており、情報が不正確な上、片寄りがあった。
日本では特に教育研究活動の計画・評価を求められる国立大学や、芝浦工業大学など理工系大学に浸透が進んでいるという。
同社は現在、情報分析会社に変わるべく業務をシフト中だ。ビッグデータ(大量データ)分析など手がける技術系社員を約1000人と、全世界社員の15%程度にまで増やした。今後は日本でも政府助成金や特許の情報とつなげたサービスを手がける方針だ。
(文=編集委員・山本佳世子)
