記念品を贈呈され、会長とマスコットとともに。クラブ公式ツイッターでも、内田の数々の動画やクラブからの温かい投稿が多くアップされている。 ※写真はクラブの公式サイトより

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 9月10日(現地時間)、ウニオン・ベルリンの内田篤人はブンデスリーガ2部でデュッセルドフル戦(2-3で敗北)に75分から出場した後、すぐにゲルセンキルヘンに移動し、今夏まで8シーズンにわたり在籍したシャルケの退団セレモニーに臨んだ。

 ブンデスリーガ第3節のシュツットガルト戦の前に行なわれたこのセレモニーでは、内田コールが轟くなか、彼の8シーズンにおけるハイライトシーンが場内ビジョンに流され、フェルティンス・アレーナに詰めかけたサポーターは、この日本人SBの労を称えた。
 
 内田はスーツでピッチ上に現われ、以下のように感謝の言葉を述べた。(シャルケ公式サイトより)
 
「この偉大なクラブの一員でいられたことを誇りに思います。ファン、クラブ関係者、そしてチームメイトたちは、怪我で長く苦しい時を過ごしていた時にも、常に僕をサポートしてくれました。シャルケはこれかもずっと、僕の人生の大切な部分であり続けます」
 
 クラブから、記念のボードを贈呈され、クレメンス・テンニース監査役会会長と記念写真に収まった内田は、チームメイトたちとも挨拶をかわし、笑顔で思い出のクラブに別れを告げた。
 
 2010年7月に鹿島アントラーズからシャルケに加入した彼は、このクラブでブンデスリーガに104試合(1得点)、DFBカップに8試合、欧州カップ戦に40試合(1得点)と、計152試合でプレーした。
 
 右膝の負傷により、2015-16シーズンからの3年間はDFBカップに1試合出場したのみで、再起不能説が流れたりもしたものだが、本人に語ったように、この間もクラブやサポーターは内田をサポートし続けた。
 
 今夏の移籍市場では、選手とクラブが喧嘩別れしたり、移籍後も互いを非難し合ったりするなど、後味の悪いケースが幾つも見られたが、その一方で内田はこのような温かいかたちで古巣のファンと決別する機会を与えられた。これも、クラブの優しさ、そして彼の誰からも愛される人間性によるものだろう。
 
 なお、直後に行なわれた試合では、シャルケが前後半の立ち上がりに効率良く得点を奪い、シュツットガルトを3-1で下して今シーズン2勝目を挙げている。
 
 シュツットガルは、浅野拓磨が72分から登場したが、ドリブルからのシュート、好パスを1度ずつ見せた以外は、持ち味を発揮する機会に恵まれずに試合を終えた。