多忙なスケジュールの合間を縫って取材対応してくれたゲッツェ。日本は初めての訪問だったが、ずいぶんと気に入ってくれたようだ。写真:田中研治

写真拡大 (全2枚)

 ボルシア・ドルトムントきっての人気者が、『ワールドサッカーダイジェスト』の独占取材に応じてくれた。

 代謝障害でおよそ4か月間の離脱を余儀なくされ、7月15日のJリーグ・ワールドチャレンジ2017、浦和レッズ戦で待望の実戦復帰を果たした、マリオ・ゲッツェだ。

 フルインタビューは本誌でご覧いただくとして、ここでは誰もが気になるトピックのみを早出し! ハイライト版としてお伝えしよう。
 
 取材は、東京のベイエリアを見渡せる高級ホテルの一室で行なわれた。高層階から眼下に広がる景色を眺め、ため息を漏らすゲッツェ。見れば、美しい日本庭園を持つ浜離宮とウォーターフロントが、ものの見事にマッチングしている。
 
「これ! なんとも素晴らしい景色だよね。2日間でホテルの部屋のカーテンを何回も開けて見入ってたよ。いかにも日本らしい眺めだ。中国にはここ2年来てたんだけど、日本に来たのは今回が初めてでね。僕たちのことを空港で歓迎してくれて、スタジアムでもたくさんのサポーターが声援を送ってくれた。日本人の優しさに触れられて、本当に嬉しかったよ」
 
 6万の大観衆で埋まった浦和戦では、後半途中からピッチに登場。埼玉スタジアム全域でひときわ大きな歓声が上がった。3-2の激闘となった一戦を通して、対戦した「URAWA REDS」にはどんな印象を抱いたのだろうか。
 
「良い意味で驚いたよ。選手個々もチームとしても、コンディションの良さが窺えたよね。試合運びも巧いチームだなと思ったし、ドルトムントは大半の時間で懸命なプレーを求められた。先制されて「あっ」と思い、2-2に追いつかれてまた「あっ」と(笑)。タフな相手だったよ。スタジアムの雰囲気も格別でね。90分間、いろんな意味で驚かされた」

【PHOTO】浦和vsドルトムントの熱戦を厳選フォトで!

 では、日本代表MF香川真司との関係性は、いかほどなのだろうか。特別親しくはしていないようだが、日常的によく会話はするようだ。
 
「新チームが始動してからはまだちゃんと話せてないんだ。シンジは僕たちと違う動きをしていたし、当初から日本で合流することになっていたからね。普段はほとんど英語で話してる。僕は日本語がまるで話せないから(笑)。内容? なんだろ、他愛のないことばかりさ」
 
 かつてドルトムント・ユース時代に香川のプレーを観て感銘を受け、やがてトップチームで僚友となり、ともに攻撃の中軸として2010-11シーズンからのブンデスリーガ2連覇に貢献した。その後、香川はマンチェスター・ユナイテッドへ、ゲッツェはバイエルン・ミュンヘンへ活躍の場を移したが、昨年の夏、ふたたびチームメイトとなった。
 
 互いのキャラクターもプレースタイルも熟知する者同士ながら、つい最近、ゲッツェは香川の見せた意外な素顔に驚かされたという。昨シーズンの最終盤、DFBポカール(ドイツのカップ戦)で優勝を飾った直後の出来事だ。
 
「タイトルを獲ったあとって、チームもサポーターも一緒になってワーッと大騒ぎするものだけど、あのシンジまでもが喜びを爆発させていたんだ。盛り上げ役を買ってでてね。あれはビックリした。彼でもこうやって感情を露にするときってあるんだなって。いつもはけっこう大人しいし、前に一緒にやってたときはタイトルを獲ってもあそこまでは……。ひょっとして日本ではあまりタイトルを獲ってなかったのかな?(笑) 驚きであるとともに、新たな発見だったよ」
 
 そう笑みを浮かべて語ってくれたゲッツェ。人懐っこい、絵に描いたような好青年だった。
 
 新シーズンへの決意やペテル・ボシュ新監督への印象、さらには代謝障害の発覚から復帰に至るまでの心の葛藤など、深掘りしたフルインタビューの模様は、8月3日発売の『ワールドサッカーダイジェスト』にて掲載予定。こうご期待!
 
取材●川原崇、高橋泰裕(サッカーダイジェスト)