東京・品川のしながわ水族館で、5月8日(月)までゆるい生き物をゆるく紹介する「ゆる展リターンズ 〜おほしんたろうとゆるい生き物の脱力祭り〜」が開催中です。

「ゆるい生き物」を「ゆるく紹介」ってどういうことなのでしょう? 早速行ってきました。

ゆるいイラストと水族館の夢のコラボ




水族館というと青色のイメージがありますが、「ゆる展リターンズ」の会場は黄色をベースにとてもカラフル!

「子供たちにも楽しんでいただこうと、このようなデザインにしました」と語る、しながわ水族館の瀬川さん。今回の企画のテーマ『ゆるい生き物をゆるく紹介』とは、どういうことでしょう?

瀬川さん「生態や姿がユニークな生き物を集めました。またゆるい解説文に加え、イラストをお笑い芸人・おほしんたろうさんにお願いしました」

おほさんはイラストレーターとしても人気で、Twitterの投稿イラストにファンが多いことでも有名。前回「ゆる展」は俳優の田辺誠一さんがイラスト担当でしたが、今回はより一層のゆるさと、ストーリー性を加えるという点で、おほさんに白羽の矢が立ったそうです。



会場にいるのは、スタッフが厳選した10種類を超えるゆるい生き物たち。それら全てに、ゆるい解説文と、さらなるゆるさを誘うおほさんのイラストが添えられています。



瀬川さん「お客様は、まず生き物に目が行くので解説文を見ない方が多いんです。より生き物のことを知っていただくため、今回ストーリー仕立てのゆるいイラストでアピールしました」

例えばハリセンボンは、通常はトゲトゲしいというイメージです。しかし「ゆる展リターンズ」では『本人確認に手間取る』、『カワイイは最強!』とゆるく説明。そういわれると実物が気になります!
ワクワクしながら水槽を覗いてみましょう。



ヒトヅラハリセンボンがいました。目がクリッとしてる! ハリを出さないハリセンボン、こんなにカワイイんですね! そしてヒトヅラって名前もまたゆるい。

瀬川さん「普通のハリセンボンは口の下が黒くないんですよ。このヒトヅラハリセンボンは、口の下が黒くて、ヒゲの生えた顔みたいなんですね」

イラストも解説文も、表現こそゆるいですが、中身は学術的に「しっかり」した真面目な内容。作成にあたっては、おほさんと何度もやりとりし、入念にチェックされたそうです。その甲斐あって、子供たちのみならず、特に若い女性のかたにイラストが評判だとか。

イラスト実物は会場でのお楽しみということで、ここからはどのような生き物が展示されているか見ていきましょう。

見入ってしまうゆるい生き物たち




ナミガイは前回の「ゆる展」から引き続き飼育。身体が貝殻からはみ出し、前回よりもぶっとくゆるい姿になっているとのこと。



指先ほどの大きさのキンチャクガニ。最大の特徴は、手に持っている毒のあるイソギンギャクですが、チアリーダーのポンポンのように見えるのでカワイイ。

ちなみに、多くのゆるい生き物の中で、スタッフのお気に入り1位はフクラガエルとのこと。



このカエル、普段はずーっと土の中にいて、ヒョッコリ姿を現すのはお腹が空いた時だけ。しかも、カエルなのに跳ねないそう。ゆるい! しかし、そのゆるい様子に、筆者もなぜか親しみと癒しを感じてしまいました。



ちなみにフクラガエルの解説文は秘密のメッセージ入りの暗号文。多くのかたに楽しんでいただけるよう、解説文もゆるくなるよう趣向を凝らし、あえて通常とは別のスタッフが文章を考案したそうです。こうなると、もっと解説を聞きたいですねえ。

瀬川さん「ご質問などありましたら、近くのスタッフやカウンターに言ってくだされば、対応いたします。当館にいる生き物については、しっかり説明させていただきます」

素晴らしい! 一見ゆるく見せながらも、しっかり芯の通った生き物愛を感じました。

海のエイリアン、ワラスボとは?


そして、最後に謎の生き物ワラスボの展示ゾーンへ。有明海にのみ生息するハゼの仲間で、エイリアンに似たコワイ容姿にファンも多いとか。



残念ながら、今回は生きているワラスボには会えませんでしたが、おほさんのイラストでニヤリとさせていただきました。

おみやげ売り場でワラスボに出会えた!


おみやげ売り場を、しながわ水族館の初野さんに案内していただきました。あれっ、その服装はもしや……!?



なんとワラスボの姿をプリントした『WRSB(ワラスボ)』Tシャツでした(白・黒があり、税込2,678円)。『WRSB(ワラスボ)』のロゴがイケてますね。

さらには、ワラスボをかたどったスイーツも! ちょっとグロテスクなワラスボグミはコーラ味。見た目に反して(?)美味しいです。また、抹茶味のワラスボクッキーはワラスボの粉末入り! ワラスボクッキーは佐賀限定の商品のため、通常は販売していないレア商品です。




〆の一品は、ワラスボ入りエイリアンラーメン!


〆はラーメン、ということでレストランも案内していただきました。今回の展示に合わせた限定メニュー、ワラスボ入りの「エイリアンラーメン」(税込500円)があるそうです!

ワクワクすること数分。届いたラーメンにはなんと本物のワラスボ1匹が入ってる! というか、刺さってる! 深い緑色をした怪しいスープに浸かっておりました。エイリアンラーメンというネーミングに思わず納得。



そして、その味は……? あれ? 意外とクセがなくてまろやかな味。ワラスボがいいダシを出しているのか、磯の風味もちょうどいい具合で食べやすく、美味しいラーメンでした。



そして、入っているワラスボもポリポリかじります。通常の煮干しよりも大きいため、歯ごたえがあり美味です。うん、これはクセになりそう!

実は先程のおみやげ売り場では、このワラスボの干物も売られています!(税込648円)




今回の「ゆる展リターンズ」約三ヶ月の展示期間中には、生き物の状態に応じて入れ替えも予定されており、現在、ワラスボの展示も計画中とのこと。もしかしたら生きたワラスボにも出会えるかも?

ゆるいイラストなど見るだけで楽しく、結果、様々な生き物に興味を持つことができました。ぜひみなさんもゆる〜く足を運んでみてください!






(高柳優/イベニア)