Full-Countの単独インタビューに応じたDeNA・ラミレス監督【写真:編集部】

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ラミレス監督が単独インタビューで胸中吐露、「80勝できる」

 DeNAのアレックス・ラミレス監督が、沖縄・宜野湾キャンプでFull-Countの単独インタビューに応じた。就任1年目の昨季は石田、今永、戸柱、桑原ら若い才能を見いだし、球団創設5年目にして初のクライマックス・シリーズ進出。19年ぶりのリーグ優勝を目指す指揮官は今シーズンへの意気込みを語り、若き10代の2人の大砲を絶賛した。

――ラミレス監督にとって就任2年目のシーズンを迎えます。

「昨年は、いろいろなことが起こった。特にシーズンの始まり。梶谷がキャンプで怪我して出られなかったり、ルーキーを何人か使わなければいけなかったりした。外国人もロペス、ロマックが非常に調子が悪くて、4月は非常に難しい月だった。特に最初の20試合くらいですね」

――昨年と今年で違うことは、どんなところでしょうか。

「去年、監督というものを経験したので、選手の使い方もよくわかっている。より良いアイデアで試合を進められると思うので、選手にも生産性のあるプレーをしてもらえると期待している。それがやっぱり昨年と大きく違うところで、そうすると目標である80勝ができるのではないかと思っている」

――今季は開幕ダッシュも期待できそうです。

「投手陣は非常に良かったけど、序盤は打線がなかなか援護できなくて、非常に苦労したところがある。今年は投手陣も打線も最初からよく機能してくれると思うので、最初から勢いを持ってシーズンに臨めるのではないかと感じている」

筒香への絶対的信頼、「彼に我々がついていく」

――その中で、やはり中心は筒香選手になると思います。

「彼は非常にポテンシャルの高い選手だと思っている。特に、僕が就任する2〜3年前までは『調子が悪いと下げられてしまう』というような思いでプレーをしていたと思う。でも、去年は調子が悪くても『オレが打線を引っ張る』と、ずっと4番に座り続ける意識に変わった。そういった部分で、彼はうちのチームの4番という意識で引っ張ってもらったので。リーグでもベストなバッターがうちにいるわけですから、監督としては非常にうれしいこと」

――諦めずに使い続けることが重要だったのですね。

「彼はキャプテンで4番なので、絶対に毎日プレーしないといけない選手だと思う。たとえ、僕のところに来て『今日はちょっと頭痛が……。休ませてほしい』と言ったとしても『いや、ダメだ。キャプテンで4番なんだから、絶対に出ろ』という考えでいる」

――それほど、主将、4番という責任は重いということ。

「だから、彼に我々がついていく。彼がチームを引っ張っていく。そういう存在ですね。彼はそういったリーダーシップを持っている。選手も彼を尊敬しているし、コーチもそう思っているし、ファンもそう思っている。彼はまだ25歳ですけど、もうすでに長いキャリアを持っているから」

「素晴らしい」「桁違い」…10代の若き2人の大砲を絶賛

――注目する若手選手は誰でしょうか。

「2人いる。1人は網谷です。彼はまだ19歳ですけど、すごくベストな打撃の技術を持っていますし、19歳であれだけできるのは信じられないくらい、素晴らしい打撃をしている。もう一人は、ドラフト5位の細川です。まだ18歳なのに、その年でのパワーは考えられないくらい桁違い。本当に、この2人は見ていて楽しみ」

――今、挙がったのは野手。投手では?

「投手では濱口です。ドラフト1位だからというわけではなく、いい球種を持っていますし、ブルペンでもいい球を投げているので。彼はオープン戦で使っていくけど、とても楽しみです」

――本人は「僕は他球団のドラ1みたいに注目されていないから、ちょうどいいんです」と話していましたが。

「彼がそう言っているというのは良いことだと思う。それほど、プレッシャーがかかっていないということ。DeNAはいいルーキーがたくさんいるので、そういった部分でも彼だけに注目が集中していないのかなと思う。監督コーチも、彼のことを評価しているし、これでオープン戦で活躍すれば自然と注目度も上がっていくと思うので」

白井京子●文 text by Kyoko Shirai