世界中から集められた珠玉のチョコレートが一堂に会する「サロン・デュ・ショコラ」は今年で15回目。チョコレートマニアたちが日本中からやってくる、“チョコレートの祭典”に足を運んでみた。毎年たくさんの人が集まることから、今年は東京国際フォーラムに場所を移しての開催となった。会期は2月2日から5日まで。

技術の発達でチョコのデザインも進化


会場内の空調はチョコレートの品質管理と、チョコレートを求める来場者の熱気対策のためか、涼しめ。各ブースにはハートやフルーツが散りばめられたチョコやレース編みのコサージュのような繊細なチョコが並んでいる。







マニアならずとも指名買いの「ジャン=ポール・エヴァン」のショコラ。唇やキスマークの形を上品に仕上げているところはさすがだ。





イチゴを丸ごと使ったチョコもあった。ドライフルーツではなく生の果実を使ったチョコは珍しい。



チョコレートに鮮やかなプリントが施されたものも目をひいた。中にはまるで写真のようなリアルなものも。技術の発達はチョコのデザインを進化させ、プリントを活かした人気マンガとのコラボレーションチョコも登場した。




巨大なクマのチョコレートなど、見ているだけでも楽しい


誕生15年を迎えた、メディコム・トイのベアブリックとのコラボも見どころのひとつ。チョコでできた巨大ベアブリックのほか、有名ショコラティエやパティシエが作るベアブリックたち。チョコには見えないものや、動物と一緒のものなど「アート作品」としての見応えもある。








今年のサロン・デュ・ショコラのテーマは、「LaLaLa chocorat あなたと、ショコラと、人生と。」
会場では音楽をモチーフにしたチョコレートアートも飾られている。

「オクシタニアル」のブースに飾られているチョコアートは、開催前日に国内の工房において1日で作り上げたそう。



アート性が高いチョコの中には実際に食べられ、販売しているものもある。本物のチークや口紅と見紛うような「セバスチャン・ブイエ」のチョコは、女友達へのプレゼントにぴったり。男性に送るなら腕時計型もおしゃれだ。





「ブボ バルセロナ」の真っ赤なハートチョコレートを付属のハンマーで叩いて割ってみると、中にもまたハート型のチョコレートが入ったユニークな商品。その名も「ブレイクマイハート」。周りも全部食べられる。パーティーで盛り上がるかも。




会場内にあるチョコでできたQRコード。スマホでアクセスしてみると「チョコレート検定」が受けられる。行列に並ぶ間に挑戦してみては。



出展者に聞いてみた! 10回目のベテラン「ヨシノリ・アサミ」


数々の受賞歴を持つ浅見欣則さん。はじめて出店した時は意外にも商品は4個入り商品ひとつだけだったそう。

「10回でここまで来たなと思うと感慨深いですね」と話す。今年のオススメは「サブレ プレッツェル・アルザシアン」。味の種類も増え、新パッケージはよりギフトを意識したものに。9種類のチョコ菓子が入った「コウノトリBOX」はたくさんのプレゼントをもらったような気分になる。

また、浅見さんはアイス職人としても非常に評価が高い。テイクアウトのアイスの中で、南米のアマゾンフルーツ「クプアス」を使ったものはサロン・デュ・ショコラ限定品だ。「期間中いろんなチョコレートを召し上がって楽しんでください」(浅見さん)





日本の繊細さを伝えたい「BEL AMER京都別邸」


初出店のベルアメール京都別邸・大平哲代表取締役にも話を聞いた。ヨーロッパのチョコレートを、日本に特化して京都から発信しようと始めたのがこのお店だそう。日本独自の美しさ、繊細さ、素材を追求しているという。

『瑞穂のしずく』という商品に使用されているお酒、お茶、フルーツも全て国産だ。四角い形は升をイメージしたとのこと。また、着物の柄のような美しいプリントが施されたスティックショコラは迷ってしまうほどさまざまな種類が。




「『スティックショコラ』は、京都の街を楽しみながら食べ歩きもできるように作ったもので、食感、デザインにもこだわっています。海外ブランドも並ぶサロン・デュ・ショコラで、日本の繊細さ素晴らしさを評価してもらいたいです」。(大平さん)

イベントを除けば、しばらく京都以外での店舗進出は考えていないとのことなので、この機会は逃せない!



名だたるショコラティエやパティシエが集結


会場には有名ショコラティエやパティシエが多数来場した。気軽に記念撮影やサインにも応じてくれるのも魅力のひとつ。

来場者は「普段は会えないショコラティエに会えるのが嬉しくて毎年来てます。今日は3人からサインをもらいました」と話してくれた。有名人以外にもチョコレートのように甘いマスクのイケメンスタッフも多いので、こちらも見て楽しめる。

開場前には、あちこちで有名ショコラティエ同士が談笑する様子も見られた。こうした光景も、サロン・デュ・ショコラならでは。




開幕式には67人のショコラティエやパティシエが集まった。世界トップクラスが一堂に集まる様子は圧巻。






あこがれのショコラティエと記念撮影!


会場には日本を代表するパティシエ「Toshi Yoroizuka」(トシ・ヨロイヅカ)のオーナーシェフ、鎧塚氏も。さまざまなチョコレートが集まることに加えて、ショコラティエやパティシエとの距離が近いことも、このイベントの大きな魅力だ。



各店舗では、ショコラティエたちにサインをもらおうと行列が出来ていた。女性ファンだけでなく男性ファンも少なくない。





そして、チョコレートと一緒に世界からイケメンも集まる。イケメンが試食を勧めてくれると、断り切れず購入してしまいそうだ。

ローチョコレートを扱う「ラーカ」で試食をさせてもらった。話題のビーントゥバーブランドで、動物性原料を使わないビーガンでも食べられるチョコレート。植物性のものしか使用していないにも関わらず、濃い味わいなのには驚き。







初日はプレスレセプションのち、カード会員限定の先行販売会が行われた。開場前からチョコレートを求める多くのお客さんが並んでおり、昼を過ぎても行列ができてきた。みなさんカタログを真剣に眺めながら行列に並び、両手には多くの戦利品を抱えている。



筆者も今年のセレクション・ボックス「Fleur(フルール)」を90分並んでゲット。いろいろなお店の味が楽しめて、見ているだけでも楽しい気分になった。





会場では試食ができたり、テイクアウトメニューがあったりするので、その場で味わうのもよし。家に持ち帰って味わうのもよし。会場内を見て楽しむのもよし。



いろいろな楽しみ方ができる「サロン・デュ・ショコラ2017」。早くも来年の開催が待ち遠しい。入場制限など混雑状況や、発売終了商品は公式ツイッター(サロン・デュ・ショコラ日本公式 @sdc_sns)などで確認を。

(前田郁/イベニア)



公式HP
http://www.salon-du-chocolat.jp/