【医学博士に聞いた】がんって遺伝するの?しないの?

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がんになる人とならない人の違いは何なのか、とても気になるところですよね。色々な噂は耳にするけれど、本当のところはどうなのでしょうか?

そこで今回は、医学博士の川上先生にがんについて教えていただきました。

■Q1:がんは遺伝するのですか?

現在、日本人の2人に1人はがんにかかるといわれています。よく“がん家系”という言葉を耳にするかもしれませんが、実際のところがんが遺伝性のがんの割合は5%程度とされており、一概にがんが遺伝するということは言い切れません。もちろん可能性が低いだけであり、遺伝の場合もあります。

一般的に後天的にDNAが傷付けられてがんとなるケースの方が多いので、生活習慣や基礎疾患によるものの方が多いと考えられています。

■Q2:日頃から心がけておくといいことはありますか?

(1)禁煙

良く聞くかもしれませんが、たばこに含まれる発がん性物質は約60種類あると言われています。毎日喫煙をしていることで徐々に正常細胞のDNAが傷つけられ、がん化してしまうことがあるので早めに禁煙を考えましょう。

(2)バランスの良い食生活

バランスの良い食事を推奨といいますが、人の身体を良くするのも悪くするのも食事です。“食”と言う字は人を良くすると書きます。普段からジャンクフードなどが多いという方は免疫系が弱くなってしまっている可能性もありますので、食物繊維やビタミン類をきちんと摂取するようにしましょう。

(3)飲酒は節度を持って

適度な飲酒(アルコール換算で20gまで)であれば、血流を良くすることで健康の維持増進に役立つと考えられます。しかし過度の飲酒を行ってしまうことによりがんになってしまうという報告もありますので、飲み過ぎに注意して適度な飲酒を心がけましょう。

(4)塩分は控えめに

味付けが濃いということは塩分が多いということにもつながります。塩分が多いと胃粘膜を傷つけてしまうことで、胃炎や胃潰瘍の原因にもなってしまう可能性が考えられます。胃潰瘍は胃がんの背景疾患といわれているので、塩分を控えめにすることである程度胃がんのリスクを下げることができると考えられます。

(5)肥満

肥満はあらゆる生活習慣病の原因となることで知られています。一部のがんでは肥満が原因となって引き起こされることもあります。BMI(Body Mass Index:肥満指数)が25を超えてしまうと肥満の位置づけとなってしまいます。普段から食生活に気を配ったり、適度な運動を行うことによって肥満の予防や解消を行うようにしましょう。

(6)ストレス

ストレスは自律神経系のバランスを崩してしまうことにより、その結果として寝付きが悪くなったり十分な睡眠が確保できないこともあります。十分な睡眠が確保できないと免疫系が弱くなってしまうことで、がんが将来的に発症してしまう可能性も考えられます。適度なストレス解消をするようにしましょう。

いかがでしたか? やはり生活習慣を整えることが大切なようです。少しずつ心がけていきたいですね。

Woman Wellness Online編集部

【監修者略歴】

※ 川上智史 ・・・ 医学博士。主に予防医学を専門とし、各種教育機関で基礎医学について講義を行う他、一般向けに予防医学に関する講演を行うなど、予防の重要性を啓発し続けている。また、アンチエイジングアドバイザー、メディカルアドバイザーとして医学的に“美と健康”を追求し、コメンテーターとしても幅広く活動。

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