雨の日に頭痛やだるくなる人はチェック!気になる“気象病”って
今年の秋は台風が多いですね。雨が降ると頭が重い、気分がなんとなく憂鬱で冴えない……、そんな経験をされたことのある方は多いのではないでしょうか。
日常生活を送っているとついつい忘れがちですが、わたしたち人間は自然の中で生かされているからこそ、その時々の気候や気象条件によって、身体に知らず知らずの内に影響を受けているのです。
今回は心理カウンセラーで気象予報士でもある筆者が、雨の日に頭が重くなる理由を、身体と心の2つのポイントに焦点を当てお伝えいたします。
■天候によって不調を感じる“気象病”って?
“気象病”という言葉を聞いたことがありますか? 気象病とは季節の変わり目や低気圧・前線の通過、急激な気温・湿度変化、降雨などにより身体に不調が表れることをいいます。その気象病の中の一つに、低気圧頭痛というものがあります。
雨が降っているときというのは、低気圧や前線が通過をしているときで、気圧が低くなっている状態です。気圧が低いと地表にいるわたしたちの身体にかかる大気の圧が低くなります。そうすると晴れている状態(高気圧)のときよりも身体が膨張をするので、頭の中の血管も広がります。
例えば標高の高いところに袋菓子を持って行くとパンパンに膨らみますよね。極端にいえばあれと同じ状態が頭の血管で起きているわけです。
結果、広がった血管が周りの神経を刺激して頭痛が起きたり、頭が重く感じられるようになってしまうのです。
■思考習慣から生まれる“心身症”
雨が好きな方も中にはいるかもしれませんが、きっと多くの方は雨が降るといやだなと思うのではないでしょうか。それはなぜでしょう?
「外に出るのが億劫になるから」「傘を持つのが面倒」「電車は混むし、道路も渋滞するから」と、その理由を説明することはできます。ですが、ここで大事なのはその根源にある、雨そのものを嫌う “感情” です。感情とは外部環境から大きな影響を受けていて、自分にとって歓迎したくない状況にあると、どうしても心は消極的になります。
反射的に生まれる “雨がいやだ” という感情。そしてそこに先ほどお伝えをした低気圧頭痛が加わる……それは経験値として “雨=頭が重い” という思考習慣を生み、その心的状態が心身症(身体疾患)として表れた結果、頭が重く感じたり、だるく感じられることがあります。
このような思考習慣は無数にあって、いわば人の“第二の天性”ともいえます。
気圧の低下は自然現象ですので、人の力で変えることはできません。ですが心構えは変えられます。
もしあなたが最近お気に入りのレインブーツを買っていたら、雨の日が待ち遠しく感じませんか? 雨が降ってやっとレインブーツの出番がきた!と、そんな日はきっと頭は重く感じないはずです。
人とはそれだけ精神的な生き物です。雨の日こそポジティブに、そんなセルフケアを心掛けることで感じる不調も軽減できるはずですよ。
【筆者略歴】
※ 大間秀章・・・心理カウンセラー&コラムニスト。企業や大学を対象に専任カウンセラーとして従事する傍ら、執筆活動も行う。専門分野は人間関係、恋愛、キャリア、メンタルヘルス、人生論など。Twitter
【画像】
※ wavebreakmedia / Shutterstock