ソフトバンク強さの秘密がココにある!

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 ソフトバンクの先発ローテーションの一角として活躍する千賀滉大、1軍メンバーの飯田優也や牧原大成、上林誠知(写真)。そして、他球団で活躍する巨人の立岡宗一郎や中日の亀澤恭平。

 彼らはホークスの3軍からプロ生活をスタートさせ、そして1軍のグラウンドに立った選手たちである。

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■ルーキーも実践で育てられる環境

 2011年より3軍制度をスタートさせたソフトバンク。

 メンバーは育成選手やルーキーが中心。大学や社会人、国内独立リーグに韓国プロ野球球団などを相手に年間70試合程度の予定が組まれている。ちなみに、昨年は71試合を消化して23勝40敗8引分、勝率.365。

 勝つことができれば、なおよいものの、元々は他球団なら2軍での出場機会もままならない3軍の選手たち。練習では得ることのできない経験を積むことができ、実践の舞台で成長していく。ここから千賀も亀澤も育ったのだ。

■3軍があるからできる大胆補強

 他球団なら指名を躊躇したり、支配下選手枠の関係で指名できないような選手でも、3軍のあるソフトバンクではウエルカム!

 超高校級投手として注目されながらも右ヒジ痛で他球団が敬遠した松本裕樹(盛岡大付高)を、2014年ドラフト1位で指名。2015年は、リバビリ中心で登板なし。そして今年は6月8日現在、3軍で8試合に登板して2勝3敗、防御率4.75。英才教育も順調に実り、近いうちに2軍、そして1軍のマウンドに登場することも期待される。

 沖縄の興南高を甲子園春夏連覇に導くも、中央大では結果を残せなかった島袋洋奨を指名し、じっくり育てられたのも3軍があったからこそ。

 そして毎年、複数選手をドラフト指名する育成枠では、バランス取れた選手よりも、何かに1つに秀でた可能性のある選手をどんどん指名する。そして3軍のサバイバルを勝ち抜いた選手がアマチュア時代の実績など関係なく上(1軍)へのパスポートを手に入れるのだ。

■ただいま韓国遠征中

 そんなソフトバンク3軍は、現在は韓国へ遠征している。韓国プロ野球2軍球団と6、7月と全15試合行う予定だ。

 韓国遠征は2012年から始まり、今年で5シーズン目となる。昨年は13試合行われソフトバンクの2勝11敗。

 数字だけ見ると大きな差があるように見えるが、ワンサイドゲームは数えるほどで接戦のゲームが多く、善戦しているといえる。しかし前半にリードを奪うも、7回以降の終盤に逆転負けを食らった試合が6試合あり、詰めが甘いゲームが多かった。

 非公式試合であり、勝ち負けは度外視だろう。しかし、それでも勝つことで自信をつけることだってある。昨年惨敗した韓国遠征で3軍ホークスはどのような戦いを見せるのか? そして帰国後の選手のなかからブレイクする選手が現れるのか。今から楽しみである。

溝手孝司(みぞて・たかし)札幌在住。広告代理業を営みながら、ライター、イベントなどスポーツ関連の仕事もこなす。北海道生まれなのにホークスファン歴40年。6月27日は東京ドーム、8月18日は京セラドームで鷹の祭典観戦が決定。福岡行きの予定はないが、突然7月に福岡で仕事が入らないかなと密かに願っている。【関連記事】