「東京都/知事の部屋」より

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 政治資金の公私混同疑惑が直撃している舛添要一(67)・東京都知事への逆風が激しさを増している。6月6日の調査報告で「生まれ変わった気持ちで、全身全霊をかけて都政に臨みたい」と続投宣言した舛添要一氏だが、都民の批判が止むことはない。

「第三者の目線で厳しく調査され、信頼性は確保されている」

 と強弁した調査だが、そもそも、調査を担当したヤメ検弁護士が舛添氏自身の指名で選ばれていたことから、「真に第三者といえるのか」との声がくすぶっているのだ。

 今後もマスコミ各社による“舛添たたき”が続きそうな気配だが、過熱する報道の余波ともいえる騒動が勃発した。フジテレビのニュース番組『Mr.サンデー』のスタッフが、世田谷区にある舛添氏の自宅前で舛添氏の妻、雅美さん(52)に直撃取材を試みたことがコトの発端だった。

「自宅前で声を掛けられた雅美さんは激高し、カメラを追い返した。そのやりとりの一部始終が番組で放送されてしまったのです」(制作会社スタッフ)

 雅美さんは「いくら何でも失礼です!」と声を張り上げ、「間違ったことは、1つもございません!」と言い放った。カメラが捉えた怒気をはらんだその表情は、視聴者に「逆ギレ」「横暴」というネガティブな印象を与えるに十分だっただろう。

■ブチギレ映像の背景にフジの強引な取材?

 そもそも舛添氏がこれほどまでにマスコミや世論から集中砲火を浴びるキッカケとなったのが、政治資金を使っての家族旅行疑惑だ。

 2013年と2014年の正月、舛添氏は家族を伴って千葉県木更津市の「龍宮城スパホテル三日月」に宿泊。宿泊代の総額は、37万円超にのぼったという。

 舛添氏は、その費用を政治資金収支報告書に「会議費用」と記載したものの、「実は単なる家族旅行だったのではないか」との疑いはいまだに根強く残っている。

 こうした事情もあって、一部で舛添氏のみならず、妻の雅美さんをも非難する声が上がっていたのだ。そんななかで放送されたフジテレビのブチギレ映像。視聴者からは「真摯に説明する気はなさそう」「逆ギレかよ」などと雅美さんに否定的な反応が目立ったが、実はこの映像にはあるウラがあるのだという。

「雅美さんがあれほどまでに怒ったのには理由があります。実は現場にいた『Mr.サンデー』のスタッフはその直前に、舛添氏の子どもに話を聞こうとしていた。無関係の子どもまでも巻き込もうとする強引な手法に激怒したわけです。ただ、フジ側はその部分をカットして、雅美さんが怒り狂っている場面だけを放送してしまった。雅美さんの出方次第ではテレビ局のお目付役であるBPOに訴え出られてもおかしくないケースです」(事情を知るテレビ局関係者)

 世間で広がる「マスゾエ憎し」の風潮がテレビの暴走を招いたのか。

文・海保真一(かいほ・しんいち)※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。週刊誌で執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。