【米国はこう見ている】パワー重視のMLBで際立つイチローの独自性 敵地メディア「アメージング」
二塁打で2961安打、敵地メディアは「メジャーで最も偉大な選手の1人」と紹介
マーリンズのイチロー外野手は27日(日本時間28日)、敵地でのブレーブス戦に「1番・ライト」で2試合ぶりに先発出場し、4打数1安打1得点だった。3回の第2打席で左中間を破る二塁打。メジャー通算2961安打とし、3000安打の金字塔まで39本と迫っている。
敵地アトランタのテレビ局は、背番号51を「メジャーで最も偉大な選手の1人」と絶賛。パワー重視のメジャーの世界で安打にこだわる独特のスタイルを「アメージング」と高く評価している。試合は2-4でマーリンズが敗れた。
3回一死走者なしの場面。この日2度目の打席に立ったイチローを、敵地で試合を中継していた「FOXスポーツ・サウスイースト」の実況は最敬礼で迎え入れた。
「メジャーで最も偉大な選手の1人の登場です。イチロー・スズキ」と語り、試合前のデータで出場試合数は現役3位の2394試合、安打数は同2位の2960本、得点数は同7位の1358点、そして盗塁はトップの500個であることを紹介した。
さらに、パワーヒッターが重宝されるメジャーで輝くイチローのオリジナル性について言及する。
「打撃練習を見ると年間30、40本ホームランを打つような当たりを見せるが…」
「イチローについてアメージングなことですが、このスポーツでは常にパワーが尊重されます。多くの長打、ホームランが重視されますが、イチローの野球にはそこは存在しません。思うに彼自身があえてデザインしたのでしょう。打撃練習を見ると年間30、40本ホームランを打つような当たりを見せるのですが…」
パワーではなく、技術、スピードでスタジアムを沸かせるイチローをこう絶賛した。打撃練習では豪快な一撃をスタンドに次々に運ぶ背番号51が、あえて本塁打を狙わず、安打量産にこだわるスタイルは「アメージング」だという。
イチローはこの打席で、2ボールからの3球目の79マイル(約127キロ)のチェンジアップを捉え、左中間を破る二塁打をマーク。その後、味方の連打で先制のホームを踏んだ。これが今季4本目の二塁打となったが、実況はイチローのメジャー通算2961安打のうち、実に2412本が単打であることも強調している。
パワー全盛の時代で一線を画する“イチロー流”は、敵地メディアからも称賛の対象となっている。遠征先でも静かな敬意を受けながら、レジェンドは3000本の金字塔に一歩一歩近づいている。