国産でも要注意!安心・安全な野菜を選ぶために知っておきたいこと

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食の安全性への意識の高まりから、「野菜や果物に使われている農薬が気になる」という方が増えています。

でも、よく見かける「有機」「無農薬」「特別栽培」といった表示の違いをきちんと説明できますか? 違いがわからないと、選び方もわからないですよね。

ということで今回は、これらの表示の違いと、安全な野菜を選ぶうえで必要な考え方をお伝えしたいと思います。
人間だけでなく、自然界の生態系にも影響を及ぼす農薬
農薬は、自殺や殺人の道具として使われることもあるぐらい、人体にとって有害なものです。

もちろん、市場で出回っている農産物には、残ってもよい農薬の量の基準があるため、ただちに健康に影響があるということはありません。

ただ、ハッキリと言えるのは、決して体によいものではないため「摂らないで済むなら摂らないにこしたことはない」ということです。

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また、農薬は私たち人間への影響だけでなく、自然界へ与える影響も危惧されており、田んぼをアメンボやカエルが泳ぎ、夕焼けにトンボが飛び交うといった日本の田園風景が次々に失われていると言います。

子どもや孫の世代に美しい環境を残すためにも、自然界との共生は考えるべきことですよね。
実は…日本は世界第3位の農薬使用大国
「国産のものは安心」という印象を持っていませんか? でも残念ながら、農産物に関してはそうとは言えない現実があります。

面積当たりの農薬使用量で見ると、日本は中国、韓国に次いで世界第3位の農薬使用大国なのです(2004年まではトップでした)。

そんなこともあり、2020年の東京オリンピックでは、選手村の食堂で使える農産物の基準に国産品が適合できるのかと、今対応に追われているようです。

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有機栽培を行っている農地面積の割合でも、イタリアの8.6%、フランスの3.6%、韓国の1.0%に比べて、日本はわずか0.2%に留まります。

諸外国と比べても、日本の農業は決して人間と環境に優しいとは言えない状況です。
有機、無農薬、特別栽培の違いは?
さて次は、いろいろな農法の違いを見ていきましょう。

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まず「有機栽培」は、農薬や化学肥料を2年以上使っていない農場で栽培された農産物のことを言います。

JASマークがついたものは農林水産省の認証を受けているものですが、この認証には手間とお金がかかるため、すべての農家が簡単に取れるものではありません。

ちなみに、有機栽培は認められている農薬は使ってもよいので、必ずしも無農薬というわけではありません。

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一方「無農薬栽培」は、文字通り農薬を使わない農法のこと。けれど、有機栽培と異なるのは、栽培期間中に農薬を使用していないということなので、例えば前年に農薬を使用している可能性もあるのです。

また、有機栽培のように国の認証は存在していません。

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そして「特別栽培」は、減農薬と呼ばれていたもので、その都道府県で定められている農薬や化学肥料の使用回数の半分以下で栽培するというものです。

しかし、地域によって農薬の回数の基準が異なるため、地域差が出てしまうという曖昧な部分があります。

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また、「奇跡のりんご」で有名になった木村さんが行っている、農薬も肥料も一切使用しない「自然栽培」という究極の農法もあります。
結局どうやって野菜を選べばいいの?
このように、それぞれある程度の基準はあるものの、それも万全とは言えません。しかし、有機のJAS認定を取得していなくても、こだわった農業をしている人もたくさんいます。

また、有機農法では肥料を与え過ぎると硝酸態窒素という物質が増え、これが体内でたんぱく質と結びつくと発がん性物質に変わるということも言われています。