韓国の現代自動車が高級車ブランド「ジェネシス」を独立した専門ブランドとして立ち上げたことに対し、中国メディアの汽車点評はこのほど、激戦区である中国高級車市場でジェネシスが成功できるかどうかを分析した。(イメージ写真提供:123RF)

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 韓国の現代自動車が高級車ブランド「ジェネシス」を独立した専門ブランドとして立ち上げたことに対し、中国メディアの汽車点評はこのほど、激戦区である中国高級車市場でジェネシスが成功できるかどうかを分析した。

 現代自動車がジェネシスを独立した高級車ブランドとして立ち上げた狙いは一体何だろうか。狙いはただ1つ、中国高級車市場を獲ることだ。一部報道によれば、現代自動車は2016年に中国でも正式にジェネシスブランドを立ち上げる見込みだ。記事は、中国高級車市場の大半はベンツ、BMW、アウディの世界に名だたる3ブランドがシェアを分け合っているとし、ジェネシスはこの3社に真っ向から立ち向かおうとしていると論じた。

 では、中国高級車市場におけるジェネシスの「武器」とは何か。それは何といっても「コストパフォーマンス」だと記事は指摘している。ベンツEクラスの価格でSクラスを買えるという話に飛びつかないベンツファンはいないだろう。基本スペックだけで他社高級ブランドと比べるならジェネシスは大変お買い得だ。

 しかしジェネシスには最大の「弱み」もある。それは高級車にとってもっとも大切な「ブランド力」がまだまだ弱いことだ。立ち上げたばかりのブランドである以上、仕方のないことだが、中国の消費者は「メンツ」を重視する傾向にあるうえ、記事は「中国の消費者はベンツ、BMW、アウディ以外の高級車ブランドをほとんど知らず、世界に誇る名車レクサスでさえ中国高級車市場では苦戦を強いられている」と指摘している。レクサスには最高の品質と優れた評価があるにもかかわらず、中国市場ではドイツの高級車が圧倒的なパフォーマンスを見せているのが現状だ。

 また記事は、中国の消費者は韓国車に「高級感」をイメージすることができないのが現状だと指摘。韓国車は「価格から見れば、相対的に高機能」というコストパフォーマンスを武器に成長してきたためだ。高級感をイメージできないなら、いくらコストパフォーマンスが良くても人びとはブランド力を感じられないだろう。そもそも高級車を購入するセグメントの人びとがコストパフォーマンスを重視するのかという疑問も存在する。現代自動車のジェネシスが果たして中国で成功を収めることができるのか、動向に注目したい。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)