チェンのMLB全成績

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MLB公式サイトが特集、左腕チェンの市場価値をレポート

 MLBのフリーエージェント(FA)市場で元中日チェン・ウェイン投手の注目度が日に日に高まっている。MLB公式サイトは20日(日本時間21日)に「チェンはFA市場でベストの価値があるかもしれない」と題した記事を掲載。オリオールズからFAとなっている左腕の市場価値についてレポートしている。

 記事では、チェンの代理人を務めるスコット・ボラス氏が、5年総額1億ドル(約121億円)規模の契約を模索していることを紹介。デビッド・プライス(レッドソックス)、ザック・グリンキー(ダイヤモンドバックス)、ジョニー・クエト(ジャイアンツ)といった大物投手が既に移籍先を決めた中、チェンなどの“市場2番手グループ”に視線が集まっている。

 現状、チェンは4年5200万ドル〜8000万ドル(約51億〜97億円)規模の契約に落ち着くと予想されている。ただ、記事では、今オフに1億ドル規模の契約を結んだジョーダン・ジマーマン(タイガース)やジェフ・サマージャ(ジャイアンツ)と比較し、年齢や今季の成績でも遜色がないことを指摘。決して飛び抜けた能力があるわけではない左腕の凄みについて、ストライク先行かつ、無駄な四球を与えずに強打を許さないという総合力の高さを評価している。

ナショナルズは5年契約を提示するのか?

 2012年以降の117試合先発という数字は、クリス・セール(ホワイトソックス)やクエトを上回っており、この耐久性の高さもローテーションの3、4番手を任せる上で魅力的なポイントだとしており、多くのチームのニーズに応えられる優秀な選手と位置づけている。

 チェンの移籍先候補も具体的に挙がり続けている。MLB.comのビル・ラドソン記者は、関係者の話として、ナショナルズがチェンの獲得に興味を示していると伝えた。

 MLBの移籍情報などを網羅する「MLBトレードルーマーズ」は、この情報を基に分析記事を掲載。チェンは「市場でまだ獲得可能な、最良の選択肢の一つ」としている。多くのチームにとってチェンは魅力的な存在だが、市場の高騰に伴い、獲得に必要な契約の希望額も高まっていると指摘。前述の関係者によると、チェンが求めているとされる5年規模の契約をナショナルズが提示するかまでは、現状では定かでないとしている。

 現段階で、チェンの有力な移籍先候補はまだはっきりしていないと記事では伝えている。NPB出身の左腕が来季、どのユニホームを着てマウンドに上がるのか、しばらく目の離せない状況が続きそうだ。