わずか2分でクルマをハックする映像も。キーレス・エントリーのクルマはセキュリティーが甘いのか?

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ここ数年で、キーを差し込まなくてもプッシュボタンでエンジンを始動することができる、キーレス・イグニッション・システム(キーレス・エントリー)が自動車市場に浸透し、低価格車から高級SUVまで車種を問わず採用されるようになってきた。クルマの所有者にとっては便利なシステムだが、盗難に遭うリスクも大きい。現在では、このシステムを破るための装置が、安い値段で手に入るようになったからだ。
イグニッションキーを使う従来型のクルマも、もちろん盗難には遭う危険はあるものの、自動車泥棒を遠ざけるために十分な抑止装置を備えている。このタイプのクルマでは、イグニッション・シリンダーに実際にキーを差し込み、回すことでエンジンが始動するが、最近のモデルにはイモビライザー・システムを利用することでもう1段階の安全対策が施されている。これは、無線によって固有のRFIDタグを照合し、一致しなければエンジンは始動しないというものだ。一方、キーレス・イグニッション・システムではキーを使う代わりに、ダッシュボードのボタンを押すことでエンジンが掛かる。こちらも多くのシステムは同様にRFIDタグを使用し、無線でドライバーが持っているスマートキー(メーカーによって呼び名は様々だが)を認証しなければボタンを押してもエンジンを始動させることは出来ない仕組みだ。

ところが、このRFIDタグはOBD-II(車載式故障診断システム)ポートにデバイスを接続し、イモビライザーのモジュールを再プログラムすれば破ることができる。しかし、イグニッションキーが必要なシステムでは、モジュールに再プログラムを施す際にもう1段階の安全対策が取られているので、より安全と言える。ほとんどの場合、モジュールをプログラミングし直す手順にはイグニッションキーそのものが必要で、一連のプログラミングの間に何度もキーを回すことが要求される。となると窃盗犯は、合鍵を入手するか、または新しいイグニッションシリンダーを用意し、ダッシュボードをこじ開けてそれを取り付ける作業が必要になる。これにはかなりの時間が必要だ。

一方、キーレス・イグニッション・システムを破るのには、あまり手間が掛からない。大抵の場合、必要となるのは再プログラミング用のデバイスと、IDが書き込まれていない新しいスマートキー、またはRFIDタグだけだ。下のビデオでは700ドル(約8万6,000円)の中国製のデバイス(インターネットで購入できる)を使って「レンジローバー・スポーツ」を再プログラミングする様子を見ることができる。映像の中で泥棒を演じている人物は、有効なスマートキーを持っておらず盗難防止用のアラームを切ることができない。しかしクルマに乗り込むと、素早く再プログラミング用のデバイスを接続。プログラミングモードにして25秒ほどでアラームを止めてしまった。この後1分半ほどプログラミングを続けると、新しいスマートキーでエンジンを始動できるようになってしまう。クルマに近付き発進するまで、2分もかからなかった。