「馬ヅラ男」と馬好きの女性が出会ったら
皆さんは競馬場に行ったことがあるだろうか。
「ギャンブルはちょっと……」と言う人も居るかもしれないが、そもそも競馬場は別に馬券を買わなくても100円〜200円くらいの入場料を払えば入る事が出来る。
堂々とした姿のサラブレッドが芝生の上を駆け抜ける大迫力のレースを目の前で観戦するのも良いし、馬が走る姿を眺めながら芝生でお弁当を食べても良い。実際、馬券を買わなくても馬を見るためだけに競馬場に通う人も多いのだ。
例えば彼女がそうだ。馬の写真を貼った部屋で馬のぬいぐるみを抱き、馬の本を読んで毎日を過ごす根っからの馬好きだ。なんなら「馬と結婚したい」くらいに思っている。しかし、残念ながら日本の法律では馬と結婚する事は許されていない。
もちろん週末になると競馬場に行く。
中山競馬場、東京競馬場、阪神競馬場……、日本中を飛び回りながら馬達を見る。
そしてその毛並みの美しさ、ダイナミックな走り、優しい瞳に心を奪われるのだ。
競馬場には彼女だけではなく色んな人が居る。
こんな風にジャージ姿で競馬場にやってくる冴えない男性だって居るだろう。
そして彼女は気付くのである。
その圧倒的な顔の長さに。
「居たぁぁぁあああああああああああ!!」
「えっ!?なになに!?」
急に奇声をあげる女性に驚き、逃げる馬ヅラの男性。
「速い……!これは大逃げのスタイルで競馬ファンを魅了し、未だに競馬史上最強馬にその名を挙げられる事も多い、あのサイレンススズカを彷彿とさせる逃げ足の速さ……!」
「えっ!なになに!?何の話!?」
「待てやぁぁあああああああ! そっちがサイレンススズカなら、こちとら末脚最強のディープインパクトじゃい!待たんかこらぁぁぁあああああああ!」
「だからさっきから何の話なんですかーーー!?」
こうして、馬好き女と、馬ヅラ男が出会ったのである。
「おい。付き合おう」
「は、はい……♡」
運が良いことに馬ヅラ男はドMだった。
こうして二人は晴れて付き合う事になった。
馬ヅラ男もまんざらでは無かったようである。
ジャージを脱ぎ捨て、自分なりにオシャレな恰好をするようにもなった。
馬好きの二人だから、デートをする時はなるべく馬に触れ合える場所に行く。
例えばある日訪れたのは横浜市の「根岸森林公園」。実はこの公園、日本初の本格的競馬場であった「根岸競馬場」の跡地にできた公園で、隣接する「根岸競馬記念公苑」では「馬の博物館」と、馬とふれあうこともできる「ポニーセンター」がある。
根岸競馬記念公苑にはなんとG1馬、春の天皇賞で優勝した「マイネルキッツ」も居る。
今は一般の方を乗せるトレーニング中で、乗馬デーの時に少しずつお客様を乗せられるようになったそうだ。
そしてこちらも障害レースのGIを勝った「マイネルネオス」。
馬好き彼女もゴキゲンで馬を撫でている。
「にんじんタイム」では実際に馬達にニンジンをあげる事も出来る。
日によっては次のように引き馬での乗馬体験もできる。
馬好きにとってはたまらないデートだろう。
さらに馬の博物館では馬と競馬にまつわる色々な展示物を見る事が出来る。
展示内容によるが、入館料も通常100円と格安なのが嬉しい。
こちらも馬好きにとってはたまらないデートコースだ。
根岸に競馬場があった時代の貴重な資料を見ることができる。当時は今よりもずっと多くの競馬場があったらしい。根岸競馬場、目黒競馬場、八王子競馬場など、盛んに競馬が行われていた時代だ。ちなみに明治21年、ここ横浜で日本初の馬券が一枚1ドルで発売された。そんな馬の話を馬ヅラの彼氏と聞く。幸せな時間だ。
馬の進化の過程も模型で見ることができる。馬はヒラコテリウムから始まった。
「あなたの先祖よ」と彼女は本気のトーンで言う。彼女にとっては、彼氏が馬であればあるほどいいのだ。
馬力を測る機械があったので馬ヅラ彼氏に測って貰った。ちなみに1馬力は75kgを1秒間に1m動かす力のことだ。
結果は0.8馬力。体を常に鍛えているアメリカの海兵が0.8馬力程度らしいので、鍛えてもいない彼の0.8馬力は、もはや潜在的な馬の才能があると言ってもいいかもしれない。しかも馬ヅラ。馬好き彼女の目は正しかった。
馬にまつわるアート展「UMARTS 2015」も12月5日まで展示されている。
彼女がやけに熱心に見ていた。
ちなみに先ほどのスポットのように、馬にまつわるデートスポットやトピックはネットで簡単に調べることができる。特に「Umabi(うまび)」というサイトでは、馬が主人公のドラマ「走れ!サユリちゃん」や、クックパッドとコラボした「ウマウマ・ポカポカレシピ」の紹介など、さすがに強引じゃないかと思うほど馬に関連したコンテンツが集まっている。
そしてこちらもネットで見つけた、本当の馬がいるバー「馬場BAR フランシス」だ。
淡路島の洲本市五色町にあるので、面白そうなのでデートに行ってきた。このバーは「あわじシェアホースクラブ」が運営している。「馬との多様な過ごし方」を提供することによって、人と馬との距離を近づけ、様々なコミュニティを活性化する活動をしている団体だ。
このように馬に乗りながら飲み物を受け取る「ドライ馬スルー」を体験することができる。ちなみに馬は道路交通法で軽車両として扱われているので、酔っ払って馬に乗ると飲酒運転になる。馬の上ではソフトドリンクにしておこう。
先ほど言ったように馬は軽車両扱いなので、公道も走ることができる。
馬BARに馬ドライブ、こちらも馬好きにとって斬新なデートになるだろう。さらに…
「ギャンブルはちょっと……」と言う人も居るかもしれないが、そもそも競馬場は別に馬券を買わなくても100円〜200円くらいの入場料を払えば入る事が出来る。
堂々とした姿のサラブレッドが芝生の上を駆け抜ける大迫力のレースを目の前で観戦するのも良いし、馬が走る姿を眺めながら芝生でお弁当を食べても良い。実際、馬券を買わなくても馬を見るためだけに競馬場に通う人も多いのだ。
例えば彼女がそうだ。馬の写真を貼った部屋で馬のぬいぐるみを抱き、馬の本を読んで毎日を過ごす根っからの馬好きだ。なんなら「馬と結婚したい」くらいに思っている。しかし、残念ながら日本の法律では馬と結婚する事は許されていない。
もちろん週末になると競馬場に行く。
中山競馬場、東京競馬場、阪神競馬場……、日本中を飛び回りながら馬達を見る。
そしてその毛並みの美しさ、ダイナミックな走り、優しい瞳に心を奪われるのだ。
競馬場には彼女だけではなく色んな人が居る。
こんな風にジャージ姿で競馬場にやってくる冴えない男性だって居るだろう。
そして彼女は気付くのである。
その圧倒的な顔の長さに。
「居たぁぁぁあああああああああああ!!」
「えっ!?なになに!?」
急に奇声をあげる女性に驚き、逃げる馬ヅラの男性。
「待てやぁぁあああああああ! そっちがサイレンススズカなら、こちとら末脚最強のディープインパクトじゃい!待たんかこらぁぁぁあああああああ!」
こうして、馬好き女と、馬ヅラ男が出会ったのである。
「おい。付き合おう」
「は、はい……♡」
運が良いことに馬ヅラ男はドMだった。
こうして二人は晴れて付き合う事になった。
馬ヅラ男もまんざらでは無かったようである。
ジャージを脱ぎ捨て、自分なりにオシャレな恰好をするようにもなった。
馬好きの二人だから、デートをする時はなるべく馬に触れ合える場所に行く。
例えばある日訪れたのは横浜市の「根岸森林公園」。実はこの公園、日本初の本格的競馬場であった「根岸競馬場」の跡地にできた公園で、隣接する「根岸競馬記念公苑」では「馬の博物館」と、馬とふれあうこともできる「ポニーセンター」がある。
根岸競馬記念公苑にはなんとG1馬、春の天皇賞で優勝した「マイネルキッツ」も居る。
今は一般の方を乗せるトレーニング中で、乗馬デーの時に少しずつお客様を乗せられるようになったそうだ。
そしてこちらも障害レースのGIを勝った「マイネルネオス」。
馬好き彼女もゴキゲンで馬を撫でている。
「にんじんタイム」では実際に馬達にニンジンをあげる事も出来る。
日によっては次のように引き馬での乗馬体験もできる。
馬好きにとってはたまらないデートだろう。
さらに馬の博物館では馬と競馬にまつわる色々な展示物を見る事が出来る。
展示内容によるが、入館料も通常100円と格安なのが嬉しい。
こちらも馬好きにとってはたまらないデートコースだ。
根岸に競馬場があった時代の貴重な資料を見ることができる。当時は今よりもずっと多くの競馬場があったらしい。根岸競馬場、目黒競馬場、八王子競馬場など、盛んに競馬が行われていた時代だ。ちなみに明治21年、ここ横浜で日本初の馬券が一枚1ドルで発売された。そんな馬の話を馬ヅラの彼氏と聞く。幸せな時間だ。
馬の進化の過程も模型で見ることができる。馬はヒラコテリウムから始まった。
「あなたの先祖よ」と彼女は本気のトーンで言う。彼女にとっては、彼氏が馬であればあるほどいいのだ。
馬力を測る機械があったので馬ヅラ彼氏に測って貰った。ちなみに1馬力は75kgを1秒間に1m動かす力のことだ。
結果は0.8馬力。体を常に鍛えているアメリカの海兵が0.8馬力程度らしいので、鍛えてもいない彼の0.8馬力は、もはや潜在的な馬の才能があると言ってもいいかもしれない。しかも馬ヅラ。馬好き彼女の目は正しかった。
馬にまつわるアート展「UMARTS 2015」も12月5日まで展示されている。
彼女がやけに熱心に見ていた。
ちなみに先ほどのスポットのように、馬にまつわるデートスポットやトピックはネットで簡単に調べることができる。特に「Umabi(うまび)」というサイトでは、馬が主人公のドラマ「走れ!サユリちゃん」や、クックパッドとコラボした「ウマウマ・ポカポカレシピ」の紹介など、さすがに強引じゃないかと思うほど馬に関連したコンテンツが集まっている。
そしてこちらもネットで見つけた、本当の馬がいるバー「馬場BAR フランシス」だ。
淡路島の洲本市五色町にあるので、面白そうなのでデートに行ってきた。このバーは「あわじシェアホースクラブ」が運営している。「馬との多様な過ごし方」を提供することによって、人と馬との距離を近づけ、様々なコミュニティを活性化する活動をしている団体だ。
このように馬に乗りながら飲み物を受け取る「ドライ馬スルー」を体験することができる。ちなみに馬は道路交通法で軽車両として扱われているので、酔っ払って馬に乗ると飲酒運転になる。馬の上ではソフトドリンクにしておこう。
先ほど言ったように馬は軽車両扱いなので、公道も走ることができる。
馬BARに馬ドライブ、こちらも馬好きにとって斬新なデートになるだろう。さらに…