本格的な冬が近づき、温かい汁物がうれしい今日この頃。「秒速でみそ汁ができる!」と話題の「みそまる」が、11月中旬に、二見書房と宝島社よりついに書籍化した。

一見、トリュフチョコ?と見まごうカラフルな見た目の「みそまる」だが、ようは手づくりの即席味噌汁のもと。好みの配合でだし粉、味噌、具材を直径3cmほどに丸めてつくり置きしておくことで、朝ごはん、お弁当、アウトドアなどに重宝するほか、お鍋や炊き込みごはんなど、家でつくるごはんの調味料としても便利なのだとか。



みそ汁の何が面倒かといえば、やはり出汁をとること。「みそまる」では市販の顆粒だしを使う方法のほか、昆布や削りがつお、いりこ等を粉末状にする「天然だし粉の作り方」も提案。
また、具材については市販のわかめや切り干し大根といった乾燥野菜のほか、自宅でつくった干し野菜などを取り入れても。材料を自分で把握できるので安心感があるうえ、好みの味噌の配合と具が楽しめる、鍋を洗ったりする手間もない、といいことづくめなのだ。



著者の藤本智子さんは現在、「ミソガール」として味噌のすばらしさを普及するべく活動中。「みそまる普及委員会」を主宰し、「ジャパン味噌プレス」という媒体を月1回ペースで発行している。

今回の書籍に込めた思いや、活動のきっかけなどうかがってみたところ、
「私はもともと、これからお母さんになる女性たちの健康を応援する活動に携わっていたのですが、あるとき、渡邉敦光先生の『味噌力』という本に出合ったことで、味噌ってこんなにすごいものなんだ!と感銘を受けて。どうやったら、女性たちにもっと手軽にお味噌汁を飲んでもらえるだろうか、と考え始めたことがきっかけとなりました」とのこと。

そこでヒントになったのが、戦国時代の武将が携帯保存食として活用していた「みそ玉」なるもの。これを現代風のスピード食として、ネーミングも新たにかわいくアレンジしたものが「みそまる」なのだそうで。

「みそまるの魅力は、なんと言っても手づくりのあたたかさ。みそ汁生活で身体の調子がいいと、 きっと仕事も遊びもすべてうまくいくと思います。本に掲載しているレシピはすべて私が気に入っているものですが、なかでも『サバ缶』『あげ』を使ったみそまるはおすすめです。ほか、ベーシックな和風、イタリアン、中華風という3種類は、毎日飽きずに楽しめます。紹介しているレシピを参考にしつつ、本を手にとってくださった方が、自分好みのみそまるづくりに挑戦していただけたら嬉しいですね」





それにしても、みそ汁の具というと、つい豆腐やわかめなど定番の具で守りに入ってしまいがちだが、切り干し大根や桜えびなど、ついつい余らせがちな乾物を入れてみることで栄養価も風味もぐんとアップするものなんだな……と目からウロコ。
「イタリアン風」として紹介されているレシピにはチーズやドライトマトなどの思い切った具材も登場し、「みそまる」だからこそ冒険してみることで意外な発見があるかもしれない。
これからどんどん寒さが厳しくなるなか、時間があるときに大量の「みそまる」をつくって、冷蔵庫に常備しておくのもいいだろう。
(まめこ)