猫を飼ったことがある人、特に犬と猫など複数のペットを飼ったことのある人ならわかると思うのだが、猫の気まぐれさ、つれなさといったら異常だ。
何度叱っても網戸や家具などでの爪とぎをやめない。おもちゃやペットハウスなどのグッズを買ってきても気に入らないと見向きもしないし、なんならその箱にいつまでも入っている。ご飯がおいしくない、寒い……など気に入らないことがあれば、飼い主の嫌がるトーンで鳴き続けるなど、“ご主人様”のわがまま気ままエピソードを挙げればキリがない。



そんな“猫=カワイイ(はぁと)”だけではないリアルな飼い猫あるあるを描いているのが、マンガ家・鴻池剛さんが飼い猫ぽんたくんに振り回される日々を綴ったWEBマンガだ。
漫画家ならではの目線で超マイペースなぽんたくんの行動を切り取ったこのマンガは、更新のたびにTwitterでは平均1万RTを超えて拡散され、猫飼いたちを中心に絶大な人気を誇っている。
このたびWEBで公開されているものに描き下ろしエピソードを追加した書籍版『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!』(税別1000円、株式会社KADOKAWA)が、10月31日に発売されることに。



そこで鴻池さんに、マンガの主役であるぽんたくんについてや気になるコミックの中身などについてたずねてみた。
ぽんたくんとの出会いは偶然で、「約4年前、友人が拾ってきました。しかし、友人の家族がアレルギーで飼えないので僕が引き取ることに……」という鴻池さん。今回の書籍化にあたっては、これまでのWEBマンガには出てこなかったこのぽんたくんと出会った当時のエピソードを新たに50ページも描き下ろしたのだそう。



「子猫時代のぽんたのエピソードをたくさん描いたので、楽しんでいただけたらなと思います。特にぽんたのマーキングに関するエピソードは気づけばどんどんページが増えていて、あの頃大変だったんだなあと自分で思いました。あとは裏表紙のぽんたのお尻が可愛く描けたので、ぜひ注目してもらえたら」

このWEBマンガはTwitterで拡散されたのをきっかけに爆発的な人気を獲得。現在ではLINEスタンプやマスコットなどのグッズが発売されるなど、さらに広がりを見せている。鴻池さんにマンガを描き始めてからの印象に残っている出来事を聞いてみた。



「Twitterを始めたことです。雑誌での連載や、今回の書籍化にも本当に感謝してますが、ビックリしたのは、好意的なリプライを返信しきれないほどいただくこと。“マンガを読んで元気が出ました”っていう声もいただくんですが、やっぱり嬉しいですね。自分のサイトだけでやっていた頃は月に1度メールをいただけるくらいだったので、本当にありがたいです」

そんな数々のぽんたエピソードの中でも、鴻池さんが特にお気に入りのものはというと……?



「自分でお気に入りというのもなんですが、この時はぽんたが触ったら危ない!ととにかく必死でした。この漫画を見るたびにあの時の虚しさが蘇るので印象に残っています(笑)」

「漫画日記と題していますがやっぱり楽しく読んでもらいたいので、毎回面白くしたいという気持ちがあります」と語り、コツコツWEBでの更新を続けている鴻池さん。突き抜けたマイペースぶりを発揮するぽんたくんと鴻池さんのバトル(?)につい噴き出してしまうレベルのエピソードが満載なので、ぜひチェックしてみてほしい。



ちなみにこのコミックをアニメイト/COMIC ZIN/三省堂書店/TSUTAYAブックス/有隣堂で購入すると、お店ごとに先着でデザイン違いのポストカードやコメントペーパー、しおりがついてくるそう。どれもかなり味があるので、お気に入りのものを探してみるのも楽しそうだ。
(古知屋ジュン)