最近、タレントの北斗晶さんが乳がんを告白しましたが、乳がんを経験された方々はいかに傷痕を隠すか、目立たないようにするかについて非常にご苦労されていると聞いたことがあります。

もちろん、周囲もできるだけ協力してあげるべき。例えば今、こんなアイテムが話題になっているようです。水泳用品メーカー「フットマーク」は、乳がんを経験された方のための水着『アクアマンマ』シリーズの新柄(税抜12,000〜16,000円)予約販売を、同社のネットショップ「うきうき屋」にて10月20日よりスタートさせました。



ちなみに「アクア」は「水」を意味しており、「マンマ」はラテン語で「乳房」のことを指しているそう。

自分で水着にボリュームパッドを縫い付ける人もいた


では、まずはこの水着が開発された背景についてを。通常の水着だとボリュームアップのパッドを入れるところが無い場合や、あってもズレやすかったりなど、様々な問題があります。
「そのため、『自分でボリュームパッドを縫い付けて使用している』という声が、当社には数多く届いておりました」(担当者)
ただ、一度縫い付けてしまうと気軽に取り外しはできないし、シリコンパッドのような高価なものを縫うわけにもいかない。全ての要望を叶えることができない状況があります。もちろん、どれだけ工夫を凝らしても通常の水着だとやはり不安。そんな気持ちに応え、2013年に『アクアマンマ』が完成したのです。




パッドを入れることのできる胸ポケットが施された


では、この『アクアマンマ』の特徴について。
●乳房を切除した方、温存されている方さまざまな症状に対応できる胸ポケットを、パッド装着部分に施した。ここに手持ちのパッドを入れることができる。


パッドを入れるポケット部分は「ズレない、落ちない、肌を痛めない」を第一条件にしており、乳房を温存している人は通常のパッドをそのまま入れて着ることが可能。
●デリケートな体をやさしく包み込むよう、胸周りはボタンなどを一切使用していない。
●裏地を付けて、やさしい肌あたりに。袖付きタイプは肩とウエスト以外は総裏地で、保温性を重視し水中ウォーキングする方を想定している。


●セパレーツ上着内側のウエスト周りにめくれ防止用のインナーを付け、インナーをパンツの中に入れることで上着をズレ上がりにくくした。



これらの特徴が好評を博し、同社には以下のような声が寄せられています。

・「胸に当たる凸凹が気になるけど、胸の辺りの柄がごまかしてくれるので、気付かれにくくて良かった!」
・「胸に当たる布が柔らかくて、傷跡に優しい!」
・「着心地がとても良いです。柔らかく、それでいてしっかりと体を包み込んでくれます。胸や脇、首元がとても優しいです」
・「袖があり、上着がまくれ上がりにくい工夫、胸部の工夫もあるので、とても安心感がある」

最後に、『アクアマンマ』新柄のデザインについて。華やかな雰囲気の小花柄「ペディセル」と大きな花柄「カルムフラワー」がラインナップに追加されました。
「『モノトーンよりも柄がある方がバストの凹凸もわかりづらい』という声から、今回のデザイン2種が採用されました」(担当者)
なるほど、機能だけでなくデザインにも意味があるのですね。
(寺西ジャジューカ)