【インタビュー】トリンドル玲奈「全てがぐちゃぐちゃ…衝撃的でした(笑)」
何度も映像化されている山田悠介原作の人気小説『リアル鬼ごっこ』を、天才・園子温監督がオリジナル脚本で映画化。原作では「佐藤さん」が“鬼ごっこ方式”で抹殺されていくストーリだったが、今回は「全国のJK(女子高生)が狙われる」という全く新しい展開に。その中で主演の一人、ミツコ役を演じたトリンドル玲奈さんに、現場でのエピソード、自身が思い描く女性観などをお聞きしました!

『あまりにリアルな現場に”恐くて逃げたい”と思いました』


――園ワールド全開の本作で、「何かに追い詰められ、追われる女子高生ミツコ役」を演じられたわけですが、オファーが来た時はどんな気持ちでしたか?

トリンドル:園監督の作品は「愛のむきだし」を見ていたんですが、今回オファーが来て台本を読んだ時に「??」って思うことがたくさんあって(笑)。「これはどういう風に撮るんだろう」って思ったのが最初の印象でした。衝撃的でした…(笑)。



――確かに始まってすぐに衝撃的すぎる展開のオンパレードですし、予告編では血まみれのトリンドルさんの姿も映しだされていましたよね。

トリンドル:台本を読んだ時の衝撃が大きすぎたのもあるんですけど、撮影現場のセットもすごくて、女子高生役のみんなも驚きを隠せないくらいリアルな現場だったんです。だから私自身も恐くて逃げたい!と思う気持ちを感じつつ、同時に「ミツコもきっとこんな風に“恐い”って思っているんだろうな」と思って演じていました。
ミツコの感情を作るにも、あまりにも内容が衝撃的すぎるので「こういうシーンだ」と想像して準備することができない現場だったんです。
ミツコの衣装を着て、ヘアメイクをして、すごいことになっている(笑)撮影現場に入って初めてミツコの気持ちになれたというか。
現場に入ったら見える物、全てが衝撃的すぎて、ある意味そこでスーッと役に入れた、という感じでした。


――園監督からは何か指示やアドバイスはありましたか?

トリンドル:説明とかはあまりなくて、撮る直前に一言、二言言ってくださるんですけど、それがすごくわかりやすくて「なるほど」と思って演技に活かしていました。
現場に入る前は監督ってすごく厳しい方なのかな?と思っていたんですけど、初めてお会いした時はあまり喋らない無口な方という印象でした。そんな監督から、ある時「無口だね」って声をかけていただいて(笑)、和んだことがあります。

――今回「出演者全員女子」、という現場の様子はどんなだったのでしょうか?和やかだったりしましたか?

トリンドル:いえ、常に緊張感はありましたね。やっぱり監督がすごい方ですし、まわりのスタッフさんも全力でやられているし。役者さんも全力。常に緊張感はありました。
私も、今まで演じさせていただいた役などは声に出してセリフを言ってみたり、役の過去のことなんかを考えたりして役作りをしてきたんですけど、今回はそれがなかったですね。「ミツコはどういう人生を歩んできたんだろう」とかはあまりわからなかったというか。それ以上に、起きていることに追いかけられること、その時その時の恐怖感とか感情の方が大事な気がして。だから演じる前にあまり考えこまないで、すごくフラットな気持ちで現場に入って、そこで得た感情で演じていました。

『”これが大画面に堪えられる顔なのか”とちょっと不安に(笑)』


――今回は、常に追われて、逃げて、走っている姿と、恐怖と不安から涙でぐしゃぐしゃになったトリンドルさんの顔など、今まで見ることのない姿を披露していますよね。



トリンドル:かなりたくさん走りましたね。走るシーンが本当に多かったです…。必死でした(笑)
髪型やメイクもぐちゃぐちゃです(笑)。でも、そういうのがあってミツコなんだなって思ったんです。とんでもなく血をたくさん浴びたり泣き叫んだりしているシーンは正直「これが大画面に堪えられる顔なのか」とちょっと不安でもありました(笑)。今までモデルのお仕事などでは綺麗な部分とか、かわいいって思われるような物を作ってきたりもしてたから…。でも、それは「自分ではなくミツコなんだ」と思って。ミツコみたいな凄まじい経験をしたらこんな顔になっちゃうだろうな、と思うような顔なので、それが不細工だろうがむしろそこは大事じゃないんだなって思いました。
ここまで全力で体力的にもすごく走ったり、今までやったことがないこともたくさんしてきたので、そういう意味では新しい道が開けたというか「お芝居ってこういうことかな」って思ったこともたくさんありました。



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