中国メディアの一財網は10日、中国で上場しているファッション関係の企業は業績が赤字であるケースが多いとしつつも、ユニクロを展開するファーストリテイリングが業績を伸ばし続けていることに驚きを示し、「いかにして2桁の伸びを確保しているのか」と論じた。(イメージ写真提供:(C)謝飛/123RF.COM)

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 中国メディアの一財網は10日、中国で上場しているファッション関係の企業は業績が赤字であるケースが多いとしつつも、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが業績を伸ばし続けていることに驚きを示し、「いかにして2桁の伸びを確保しているのか」と論じた。

 記事は、ファーストリテイリングの2015年度上期(2014年9月1日-2015年2月28日)における売上高が前年同期比24.2%増の9496億円となり、営業利益が同比40.2%増の1500億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同比で56.2%増の1047億円になったことを紹介。

 さらに、ファーストリテイリングは1984年に第1店舗目を出展した比較的歴史のある企業だとする一方、「約30年が経過しても、まるで創業したてのベンチャー企業のように業績を伸ばし続けていられることは研究に値する」と論じた。

 続けて、中国国内では多くのファッションブランドが店舗を閉鎖するなど苦しい経営を迫られていることを指摘する一方、「ユニクロだけは中国の業界の流れと完全に反対」とし、ユニクロ中国で積極的に新店舗をオープンさせていると指摘。

 2013年11月末にユニクロ中国に251店舗、台湾に41店舗しかなかったが、14年8月には中国・香港・台湾で374店舗まで増やしたと紹介し、「1年未満でユニクロは中華圏に100店近くの新店舗をオープンした」と報じた。

 さらに記事は、「ユニクロが新店舗を積極的にオープンさせているほかに、ユニクロの大きな特徴を挙げるとすれば、それは店舗が極めて大きいこと」と指摘し、上海にはグローバル旗艦店があることを紹介。

 続けて、ユニクロは日本で出店戦略として大型店舗の展開を行っていると伝え、中国市場においても同様の戦略を推進していると紹介。実力の低いブランドが大型店舗を展開すればコストがかさみ、逆に赤字になる可能性があると指摘するも、「ユニクロだけは例外だ」と指摘した。

 さらに、大型店舗はユニクロのブランドイメージを向上させると同時に、売り上げを牽引する存在と指摘、「ユニクロの1平米あたりの年間売上高は約83万2000円に達する」と伝える一方、中国国内のファッションブランドの1平米あたりの年間売上高はユニクロの4分の1にも満たないと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)謝飛/123RF.COM)