「北海道コスモ」が2万株を引き受け3日後に全株売却、昨年9月の増資

【ライブドア・ニュース 8日 東京】 − 「ホブソンズ・カフェ」や居酒屋チェーン「とりあえず吾平」などを展開するゼクー<2758>は8日までに、昨年8月31日付で払い込みを終えた総額14億5500万円の第三者割当増資の引受先であった農事組合法人「北海道コスモ(北海道門別町、門別英治代表理事、出資総額50億円)」や「原田漁業(山形県鶴岡市、原田克信代表取締役、資本金2000万円」などの所有株式数の修正報告を発表した。

 2万株、9億7000万円を引き受けた北海道コスモは払い込みが完了した3日後の9月3日に、また、1万株、4億8500万円を引き受けた原田漁業は同じく6日後の同6日に、それぞれ引き受けた全株を相対取引で他の投資家に譲渡していた。

 ゼクーは業務アライアンス先との関係強化と、直営店の新規出店、新規事業の開発を目的に同増資を行ったが、増資時の昨年9月1日に発表した資料によると、北海道コスモはゼクーの経営支援を目的として、引き受け株を長期安定的に保有する、としている。

 ゼクーが昨年11月8日に発表した主要株主資料によると、同年9月30日時点で北海道コスモが同社株8000株を保有していた。また、今年1月12日の発表資料によれば、昨年10月31日時点で、北海コスモが同社株すべてを売却した。

 北海道コスモの実体について、ゼクーが今年1月25日に発表した資料によると、昨年10月27日の時点では登記簿上存在していたが、同年9月30日には解散していたとしている。これに関連し、一部報道は事実上法人の実体も増資引き受けもなかったと報じた。

 今年1月26日、ゼクーの谷田敏男取締役は北海道コスモの実体について、ライブドア・ニュースの電話取材に対し「弁護士を通じてずっと内容証明郵便を送っていたが、連絡が取れなかった。今年になってようやく連絡がつき、事実を知った」と話した。

 今年1月12日の時点では、同社の三輪隆社長が名義上4割出資し、経営コンサルティングや投資事業を行う「プライムパートナーズ(東京都港区・孫蕾代表取締役)」がゼクー株9.8%を所有する筆頭株主となっている。ゼクー側の説明によると、三輪社長は実質的にはゼクー株は保有していないとしている。【了】

ライブドア・ニュース 小田光康記者・佐谷恭記者