10月始動のソフトバンクモバイルが年内に投入する第3世代対応携帯端末の新機種13機種54機種(撮影:吉川忠行)

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10月1日付でソフトバンクモバイルに社名変更するボーダフォン(東京都港区)の孫正義社長は28日、東京都港区のホテルオークラ東京で開いた秋冬向けの商品説明会で、10月24日から始まる番号ポータビリティ制度(MNP)について「何回でも乗り換える人が多く潜在していることは携帯会社から見ると大きな問題。業界のビジネスモデルは大変すさんだことになる」との見方を示す一方、導入後の動向は「全員が初体験だから分からない」と話した。現段階での予約状況は「大した数ではない」と述べ、1〜2万台程度とした。

 同時に年内に第3世代対応携帯端末の新機種13機種54色を発売すると発表。その後、さらに2機種10色を追加する計画も明らかにした。孫社長は、競合のDoCoMoやauより充実した業界最大のラインアップに切り替わることを説明し、「ボーダフォンはかっこ悪い端末ばかりというイメージを完全に払拭する」と意気込みを表した。

 続いた機種の説明では、厚さ12.3ミリの折りたたみ携帯端末、同12.9ミリのスライド携帯端末のサムスン製2機種が、いずれも同モデルで世界最薄であることを強調。シャープからは業界で初めて光学3倍ズーム、500万画素のカメラを搭載した機種を取りそろえた。

 さらに、ソフトバンク子会社のヤフーと連携して、端末にある「Y!」ボタンを押すだけで携帯向けポータルサイト「Yahoo!ケータイ」のコンテンツを閲覧できるサービスを10月1日に開始することを発表した。英国出張から会見場に駆けつけたという孫社長は、「ロンドンでも『Y!』ボタンを使えば、リアルタイムで株価情報が見られた」と使い勝手の良さをアピールした。

 電気通信事業者協会の調べでは、8月末時点の携帯電話契約数はドコモが56%、KDDIが28%であるのに対し、ボーダフォンは16%と業界3番手。同社では、社名変更を機に、今回発表の機種の拡充・デザイン刷新を始め、コンテンツ強化や販売店の営業力強化、基地局の増設などを図り、MNPの導入に備えたい考えだ。

 今年春の携帯電話事業参入からこれまでの成果として、孫社長は「毎日各メーカーと交渉しながら、機能、薄さ、使いやすさ、色などの品揃えを一気に加速させた」と話し、不良在庫の少なさなどソフトバンクが製品流通業で培ってきたノウハウの強みを強調した。【了】