宇多田ヒカル
 25日、千葉県幕張メッセにて“Special Preview”と名付けた、宇多田ヒカル6年ぶり2度目となる全国ツアー「UTADA UNITED 2006」の公開ゲネプロが行われた。ゲネプロとは、本番さながらに行う通しリハーサルのことだが、モノトーンの衣装を身にまといステージに登場した宇多田ヒカルは、この日招待された約3,000人の観客を前に、「今日が初日だと思ってずっとやって来ました。本番のつもりで頑張って行きます。」と序盤のMCで述べた。

 ステージ上を構成するのは、宇多田ヒカル本人を含む7人のバンドメンバーと、曲に合わせて左右を移動する巨大スクリーンのみというシンプルな内容。宇多田ヒカルの繊細で伸びやかな歌声と、バンドの作り上げるサウンドに、紀里谷和明氏の演出よる歌詞とリンクした象徴的な映像美が加わることによって、楽曲の世界観により深い広がりを見せていた。サウンドとヴィジュアルが高い次元で融合した、新たな試みのライブであるといえる。

 R&Bテイストのアップテンポな楽曲に加え、感情豊かに歌い上げるバラードも彼女の魅力の一つ。ライブ中盤では、「1番憧れる楽器、弾けるとカッコイイなとと思って連れて来てもらった」として、新たな楽器を加えて、しっとりと聴かせる場面も。5月30日より開始された期間限定ブログ”ULTRA BLUE UNITED”BLOGにもチラッと登場しており、他にも通常ではなかなか見ることの出来ないリハーサル風景の映像などがアップされていて、貴重な内容となっている。

 この日のゲネプロの後、7月1日のグランディ21・宮城県総合体育館を皮切りに、9月10日の国立代々木競技場第一体育館まで、全国11ヵ所22公演にて全国ツアー「UTADA UNITED 2006」がスタートする。今回の選曲は、14日に発売されたばかりの4年ぶり4枚目となるアルバム「ULTRA BLUE」の中からというよりは、1998年12月9日にリリースされたデビューシングル「Automatic / time will tell」から、2006年2月22日にリリースされた16枚目となるシングル「Keep Tryin'」までをメインにした、まさに宇多田ヒカルの集大成のごとくベストな内容。関係者ばかりで序盤はどこか周囲の反応を気にしがちだった観客も、終盤は総立ちになって大きな拍手を送っていたのが印象的だった。

 本編最後のMCで「ツアーをやるなら夏ですね。これから全国ツアーが始まるので、すごく気分が盛り上がってます。」とツアーに向ける想いを述べ、彼女は会場を後にした。

宇多田ヒカル - アーティスト情報

■関連記事
宇多田ヒカル、集大成となるライブ映像がDVD化(2006年10月10日)