Go、Fight、Win、ファンキー! って、そんな掛け声で始まる応援があるかどうかは別ですが、この度、豪州体操協会が同国のチアリーダーたちに対して、年末までにあるコトを禁止するよう要請したんです。

 あるコトとは、チアリーダーが競技時にお腹を見せること。詳しく言えば、お腹が見える「ミドリフ」というユニフォームの着用が禁じられたんです。同協会による理由は、「少女たちの摂食障害を助長する恐れがあるため」なんだとか。要するに、ユニフォームをカッコよく着こなそうと思う少女たちに、ダイエットのプレッシャーを与えたくないというワケだ。
 
 影響を受けるのは、同協会に登録している105チーム。同国内からは反発もあるそうだが、どうやらコレ、米国をはじめとする各国でも同様の傾向にあるんだとか。えっ、じゃあ日本も!?

 「現在お腹を出すことについての規定はありませんが、大会競技においてはデザインや素材などの安全基準がありますよ。国際連盟では、派手と思われるものやセクシーさを表現する衣装は禁止されています」(社団法人 日本チアリーディング協会)

 人を勇気づけ、観客の応援をリードする。そして相手チームと難易度の高い技で競い合うのが本来のチアリーダーの姿。それゆえ、ユニフォームは競技者の身体に害を及ぼさないよう、あくまで安全性を第一に追及しなければならないというわけです。

 「過去にはフードやポケット、スパンコールの付いたユニフォームなどもありましたが、今では国際的に禁止されたデザインとなっています。安全性に関する規則が設けられてからは、ユニフォームでの事故がないんですよ」(同) 

 取り外し可能なデザインや、破れたり、下着が見えてしまうデザインもご法度。細部にわたって様々な規則があるんですね。

 「映画やNFL(※)に象徴される派手な衣装を想像されるのかもしれませんが、発祥地のアメリカにおける伝統的なチアリーダーのユニフォームには、派手さやセクシーさをアピールするものは着用しないのが普通です」(同)

 文化や伝統、宗教観や地域柄も違う国の決定に対し、一概に日本の尺度で賛否は論じられないのかも知れません。

 「チアリーディングを『ショー』と捉えられているのであれば、堅苦しい感じを持つのかもしれません。けれど、チアリーディングをスポーツとして捉えているからこそ、豪州体操協会でも今回のような規則を発表したのではないでしょうか」(同)

 とはいえ、やっぱりセクシーなユニフォームには目がいっちゃいますよね・・・!? それをぐっとこらえて、高度な技に注目してみるとお腹が見えなくても大満足になるかも! (清川睦子/verb)

※National Football League(全米フットボール連盟)の略

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日本チアリーディング協会