3日、アラブ映画祭のレセプション会場で「宗教や民族などを含めて考え方の違いを克服できる」と話すモロッコのラシード・ビーさん(撮影:東雲吾衣)

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アラブ諸国で製作された新作映画の上映などを行う「アラブ映画祭2006」(国際交流基金主催)が3日、東京都港区の国際交流基金フォーラムで始まった。11日まで。

 同映画祭は、昨年4月に続く2回目の開催。なじみの薄いアラブ映画を紹介することで、日本人が多様なアラブ世界を、もっと身近なものに感じられるようにという思いから、開催されている。国際交流基金によると、昨年はイラクなど中東6カ国のテレビで同映画祭の様子が報道されるなど、国外でも大きな反響があり、今年も開催を決めたという。

 初日の3日、中東の映画関係者5人を招き、開幕式とオープニングレセプションが開かれ、中東の大使館関係者や映画鑑賞に訪れた一般客らと交流した。同日上映された、パリからメッカまで自動車で巡礼の旅をする親子を描いた『長い旅』の製作者の1人ラシード・ビーさん(モロッコ)は「世代も考え方も違う親子が、旅の途中で何度もぶつかりながら、最後には和解する。イスラムや巡礼の旅だけでなく、宗教や民族などを含めて考え方の違いを克服できることを表現した」と話した。

 上映内容やスケジュールは、国際交流基金のウェブサイトを参照。映画上映のほか、中東の映画関係者によるシンポジウムと、昨年11月にヨルダンでの連続爆弾テロで死亡したシリア人のハリウッド映画監督ムスタファ・アッカドの追悼公演会も開かれる予定。【了】

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