燃料電池内蔵携帯電話外観イメージ(東芝・KDDI共同開発)
KDDI<9433>は26日、東芝<8502>と日立製作所<6501>と昨年7月から開発を進めてきた携帯電話機などに搭載する移動通信機器用の次世代電池について、このほど燃料電池を内蔵した携帯電話の試作機を開発したと発表した。次世代の携帯電話サービスでは、テレビ電話や携帯音楽プレーヤーなど多様なコンテンツが提供されるが、増大する消費電力問題の解決は携帯通信各社の優先課題となっている。

  KDDIは東芝との共同開発では、背面電池搭載部分に小型の燃料電池と燃料タンクを搭載し、内部リチウムイオン電池とのハイブリッド方式で電源を得る機種を開発。高濃度メタノールを使用、一回の燃料補充で従来比2.5倍の電池容量を達成した。一方、日立との共同開発した内蔵電池は、サブ液晶面に小型燃料電池を搭載、内部リチウム電池とハイブリッド方式で電源を確保する。燃料はメタノール水溶液を使用。

  KDDIは「au」の携帯電話機をベースにした一方、競合のNTTドコモ<9437>も富士通研究所と7月に、第3世代携帯電話「FOMA」端末用のクレードル型燃料電池を共同開発したと発表した。同燃料電池は、これまで発表した燃料電池と比較した場合、同じ重要で、電力量を約3倍に向上させたという。各社とも、実用化に向けて研究を進め、早期に商用化に踏み切りたいとしている。【了】