半導体メーカー最大手の一つであるIntelは、「車いすの物理学者」として知られるスティーヴン・ホーキング博士と共同で従来から進化した新しい「つながる車いす」を開発しました。

Stephen Hawking, Intel Unveil a Connected Wheelchair | Re/code

http://recode.net/2014/09/10/stephen-hawking-intel-unveil-a-connected-wheelchair/

Fact Sheet: Kegs, Wheelchairs and Big Rigs - Kegs_Wheelchairs_and_Big_Rigs.pdf

(PDFファイル)http://download.intel.com/newsroom/kits/iot/pdfs/Kegs_Wheelchairs_and_Big_Rigs.pdf



世間の多くの人が新型iPhoneなどの発表に沸いていたその日に、Intelはホーキング博士の協力のもとで開発した「つながる車いす(Connected Wheelchair)」を発表しました。新しく設計された車体は、2つの駆動輪とその前後に補助輪を2本ずつ配置した6輪タイプで、従来どおり走行できるほかに、車いすに乗る人の心拍数などの健康データや車体の状態などをモニタリングして送信する「つながる」機能を備えているとのこと。



車いすの開発と実際に走行している様子は、以下のYouTubeムービーで見ることができます。

Stephen Hawking and the Intel Connected Wheelchair Project

1942年生まれのホーキング博士は今年で72歳。学生の頃に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症するものの、数々の重要な研究を残してきています。従来は親指や頬の動きを感知して文字を入力し、合成音声を用いて会話する方法を採っていましたが、徐々に進行する病気のために入力スピードは落ちていたとのこと。



新しい「つながる車いす」の開発にあたったのは、Intelのインターンエンジニアの面々。専用のプラットフォームを開発してデータを取り扱うことができる車いすの開発を進めました。



Intelは以前からホーキング博士との共同開発を実施しています。



過去には博士と共同で顔認識文字入力装置を開発したこともありました。

スティーヴン・ホーキング博士のためにインテルが新たな入力方式を開発中 - GIGAZINE



開発の続けられる作業室。



実際に乗車して走行性を確かめる実験も行われました。



システムの開発にはIntelが提供する開発プラットフォームのGalileoを使用。



車体にはカメラや身体モニタリング装置が搭載されています。



タブレットの画面などで心拍数などのデータを確認することが可能。



また、車体の走行ログなどのデータも採取・保管されるようになっているとのことです。



まだあまり多くのデータなどは公表されていませんが、病気に悩む人はもちろん、来たるべき高齢化社会に役立つ技術になるのかもしれません。