(左から)村上めぐみ、幅口絵里香

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ODAIBAビーチスポーツフェスティバル・ビーチバレーペボニアカップは6日、お台場海浜公園(東京都港区)にて男女決勝などが行われた。男子は昨シーズンから調子を上げている清水啓輔・畑辺純希組(フリー)が、西村晃一・土屋宝士組(WINDS)をフルセットで下し優勝。女子決勝は幅口絵里香・村上めぐみ組(オーイング)が浦田景子・永田唯(NAS)組に圧勝した。

国内ビーチバレーボールは今シーズンから一変。昨年までのプロビーチバレーボールツアーであったJBVツアー(日本ビーチバレー連盟主催)は解体され、日本バレーボール協会(JVA)が主催する「JVAビーチバレーボール・シリーズA/グレード・1」がトップツアーとなり、全国各地で行われてきた大会は、シリーズAを頂点に等級分け(グレード・1〜5)された。

ペボニアカップはグレード・5。昨年までの大会規模から縮小され、トップチームの参戦も見送られたが、「ゴールデンウィークのお台場」は国内ビーチバレーボールの開幕にふさわしい大会である。

女子決勝は幅口・村上組と浦田・永田組が対戦。幅口・村上組はともに身長が165cmで高さはないが、スピードと粘りが信条のチーム。今シーズンからペアを組むが、同郷(福井県出身)で連携もまったく問題ない。

第1セットから幅口・村上が試合の流れを引き寄せる。風下側でも風上側でも強く効果的なサーブで得点を重ね「同じサーブを何度も打たないようにしている」(幅口)と強弱、コースなどを変化させて、174cmの浦田、172cmの永田を翻弄した。永田は「サーブレシーブがすべて。ボールが上がらないからサイドアウトが切れず、逆にこちらのサーブも弱すぎた」と話す。

幅口・村上のスパイクは、高さがないためショット(軟打)中心の攻撃と思われたが、高いブロックに対しても強打で攻める。特に村上のスパイクが良く、強打を打ち抜くだけでなく、コースを打ち分け、得点源となった。また、幅口がブロックを積極的に跳ぶことで、相手にプレッシャーを与えており、高さのないチームのイメージの裏をかく戦術が功を奏した。

第2セットも主導権を渡すことなく、最後は村上が「完全に狙いにいった」と言うサーブがサイドライン際に決まりゲームセット。「ふがいないプレイ、簡単なミスがあった」(村上)と言うものの技術、戦術ともに相手を上回り圧勝した。幅口は「目指しているスタイルは固まっている。そのスタイルでの戦い方の確認はできた」と話す。幅口と村上は高さの不利に苦労しながらも着実に実力をつけてきた。経験を積み、昨シーズンあたりからプレイに自信が垣間見えるようにもなった。気心が知れ、戦術的な攻撃も身に付けた2人。今シーズン、今後も十分に期待できるペアである。
(取材・文=小崎仁久、撮影:野原誠治)

結果は次の通り。

■ 女子3位決定戦
松村・松山 0(21-23/18-21)2 田中・大山
■ 女子決勝
浦田・永田 0(13-21/15-21)2 幅口・村上

▼ 幅口・村上組は、ともに身長が165cm。高さはないが、スピードと粘りを発揮した



▼ 今季からペアを組んだ二人。優勝を喜び合った



▼ 攻めのプレーで得点を奪うと、大きな声を発していた、幅口絵里香



▼ 村上めぐみ



幅口絵里香の強打。自信を深めるプレーもあった



▼ ガッツポーズを作った幅口絵里香(写真中央)。相手を崩してポイント奪った







▼ 村上のスパイクが光った。強打を打ち抜くだけでなく、コースを打ち分け、得点源となった



▼ 村上めぐみ



▼ 村上めぐみ







▼ 浦田景子



▼ 浦田景子



▼ 3位に入った、大山未希







▼ 3位に入った、田中姿子



▼ 4位の松村美由紀/松山紘子ペア



▼ 松山紘子



▼ 松山紘子



▼ 松村美由紀