ゴールドマン・サックスレポートで発見。外資系証券が中小型をスクリーニングすると、こうなる
外国人なくして株高なし! フィスコの小川さんが注目するのは狹たり屋〞ゴールドマン・サックス証券の最新レポート、そして外資系の株式投資信託や新進ヘッジファンドの「大量保有報告書」なのだ。

今年のGSイチオシは高ROE割安中小型株!

1月下旬、アルゼンチン・ショックに見舞われるなど新興国中心に外部環境は荒れ模様。しかし、円安定着や黒田日銀の追加緩和期待もあり、外国人投資家の日本株買い越し基調は続きそうだ。

「外国人は昨年11月第2週に1兆1720億円と、過去2番目の規模で日本株を買い越しました。今後は、日経225先物に投入されたビッグマネーが、『先物売り・現物買い』の裁定取引を経て、好業績で割安な現物株に向かう流れに期待ができそうです」

と語るのは、フィスコのアナリスト・小川佳紀さん。

小川さんが最も注目するのは、外資系証券の牴ν〞ともいえるゴールドマン・サックス(GS)証券。同証券のレポートは2012年の年末にも、外国人投資家の日本株5兆円買い越しとアベノミクス相場の到来を予言し、みごと的中させたことで有名だ。

「そんなGS証券は昨年12月19日配信のレポートで、2014年の日本株の主力テーマを大胆予想しています。その中で『国内リフレ関連』、『設備投資関連』とともに紹介されているのが、新興市場の銘柄に比べて割安な東証1部のTOPIXsmall指数などに採用される『中小型株』なんです。これまで大型株を中心に買い上げてきた外国人投資家が、中小型株狙いにシフトチェンジする信頼性の高いシグナルといえるでしょう」

同レポートが選んだ選別条件は「時価総額500億円以下」「PER18倍以下」「10%以上の営業増益率」、そして今年ナンバーワンの人気指標である「ROE10%以上」。

小川さんが同じ条件で外国人投資家が好みそうな割安中小型株を独自に選んでくれたのが下の銘柄群だ。

外国人投資家の割安=低PER+高ROE+好業績の25銘柄

サニックス(東1・4651)
826円(100株)
時価総額:404億円
ROE:19.8%
PER:7.9倍
PBR:4.09倍
配当利回り:―

シロアリ防除を軸に、最近では太陽光パネルの設置が収益の柱に。戸別訪問で鍛えた超積極的な営業スタイルが特徴。

田淵電機(東2・6624)
518円(1000株)
時価総額:210億円
ROE:30.3%
PER:6.9倍
PBR:8.56倍
配当利回り:0.96%

トランス(変圧器)や電源などを生産。中国など海外への拠点移設に早くから取り組み、コスト低減に成功した。今期は6期ぶり復配予定。

新電元工業(東1・6844)
555円(1000株)
時価総額:574億円
ROE:10.8%
PER:7.6倍
PBR:1.69倍
配当利回り:1.80%

電源メーカー。通信向け電源機器のほか、ホンダ向けの自動車電装品も好調だ。来期はインド工場の本格稼働で連続増収増益へ。

マネースクウェア・ジャパン(東2・8728)
1145円(100株)
時価総額:125億円
ROE:22.5%
PER:6.9倍
PBR:2.52倍
配当利回り:3.49%

「M2J」の略称で知られるFX大手。自動発注機能が大人気。一昨年秋のアベノミクス相場スタート以来、口座数の伸びが加速している。

いちよし証券(東1・8624)
1471円(100株)
時価総額:654億円
ROE:13.4%
PER:8.1倍
PBR:2.40倍
配当利回り:4.75%

野村證券などとの違いが、独立経営。対面営業とリサーチに強く、中小型株の分析に定評。証券不況期にも買収で地方店舗を増やしてきた。

ランドビジネス(東1・8944)
392円(100株)
時価総額:105億円
ROE:31.6%
PER:2.1倍
PBR:0.66倍
配当利回り:2.55%

首都圏でマンションや一戸建て住宅を建築・販売。かつて不動産投資で痛手を負った反省から、安定経営志向に舵を切り成功した。

江守商事(東1・9963)
1958円(100株)
時価総額:242億円
ROE:16.1%
PER:7.5倍
PBR:2.30倍
配当利回り:2.45%

中国ビジネスが主力の化学品と情報機器の専門商社。シンガポールに拠点を置き、TPP(*1)加入後の貿易量増大にも備えている。

澤田ホールディングス(JQ・8699)
1069円(100株)
時価総額:438億円
ROE:10.9%
PER:6.7倍
PBR:1.25倍
配当利回り:―

証券や不動産を核に多角化経営。澤田社長の手腕による部分が多く、厳密な意味での同業他社は存在しない。モンゴルで銀行経営も。

シノケングループ(JQ・8909)
1395円(100株)
時価総額:122億円
ROE:63.4%
PER:6.1倍
PBR:4.29倍
配当利回り:0.59%

九州を本拠に、富裕層へのアパート販売と物件管理などを手がける。景気回復基調を踏まえ、投資用マンションも。

タカラレーベン(東1・8897)
305円(100株)
時価総額:403億円
ROE:18.0%
PER:7.4倍
PBR:1.80倍
配当利回り:1.47%

首都圏でマンションの開発・販売を展開。中低価格帯が特徴だが、購入単価が上昇基調にあり、業績拡大を後押ししている。

フジ住宅(東1・8860)
670円(100株)
時価総額:247億円
ROE:10.9%
PER:7.6倍
PBR:1.20倍
配当利回り:3.88%

大阪が地盤の住宅・不動産会社。比較的高価な自由設計方式が特徴だ。徹底してリフォームを施した中古住宅も人気を集めている。

ウエストホールディングス(JQ・1407)
1215円(100株)
時価総額:331億円
ROE:62.0%
PER:7.3倍
PBR:7.33倍
配当利回り:2.46%

もともと住宅リフォーム会社だったが、太陽光発電工事会社に転換しつつある。売上高も利益も驚異的なスピードで伸びている。

日産東京販売ホールディングス(東1・8291)
412円(1000株)
時価総額:275億円
ROE:23.7%
PER:6.1倍
PBR:1.55倍
配当利回り:0.97%

上場自動車ディーラーでは国内最大級。消費増税による4月の販売減は一時的で、来年10月の消費税率10%への引き上げまで販売増が続きそうだ。

日本合成化学工業(東1・4201)
778円(1000株)
時価総額:765億円
ROE:13.4%
PER:7.1倍
PBR:1.34倍
配当利回り:2.31%

三菱化学系の特殊化学品メーカー。大型テレビ向け光学フィルムの拡大で、今期は最終利益が2期連続で過去最高を記録しそうだ。

新日本無線(東1・6911)
341円(1000株)
時価総額:133億円
ROE:49.7%
PER:5.3倍
PBR:5.16倍
配当利回り:―

日清紡ホールディングス傘下の半導体メーカー。リストラ断行の成果で、今期は2期連続の黒字を確保する見込みで、来期増益に期待大。

神戸物産(東1・3038)
2383円(100株)
時価総額:210億円
ROE:18.1%
PER:6.8倍
PBR:1.28倍
配当利回り:2.51%

大容量パックが個人や飲食店主に人気の「業務スーパー」を展開。店舗網の拡大を進めており、中長期的な業績成長が期待できる。

グランディハウス(東1・8999)
324円(100株)
時価総額:100億円
ROE:11.8%
PER:5.9倍
PBR:0.94倍
配当利回り:2.46%

栃木県を中心に北関東エリアで一戸建て住宅を販売。相続税対策での住宅取得も増加中で、会社の積極経営と環境好転がかみあっている。

名村造船所(東1・7014)
1081円(100株)
時価総額:523億円
ROE:15.9%
PER:5.5倍
PBR:1.07倍
配当利回り:1.85%

戦前から続く中堅造船会社。円安で競争力が急回復中。ブラジルの造船大手に出資するなど海外に活路を求めている。

サンワテクノス(東1・8137)
882円(100株)
時価総額:127億円
ROE:11.3%
PER:6.7倍
PBR:1.03倍
配当利回り:2.26%

半導体など電気・電子機器類を扱う専門商社。自動車向け電子部品の好調に加えて、太陽光発電機器も伸長。アジア拠点を拡充中だ。

スターツコーポレーション(JQ・8850)
1316円(500株)
時価総額:632億円
ROE:16.2%
PER:8.4倍
PBR:1.96倍
配当利回り:2.43%

賃貸住宅の建設・仲介が主力。不動産市況の改善と取引件数の増大に乗って、業績は好調に推移している。脱デフレを買う銘柄だ。

セゾン情報システムズ(JQ・9640)
1136円(100株)
時価総額:184億円
ROE:10.8%
PER:8.9倍
PBR:1.20倍
配当利回り:3.08%

セゾン系の中堅情報システム業者。金融向けに強く、顧客金融機関の業績好調が新規受注の下地になる。来期も増益の見込み。

ウチヤマホールディングス(東2・6059)
609円(100株)
時価総額:132億円
ROE:14.8%
PER:6.4倍
PBR:3.52倍
配当利回り:1.64%

高齢者向け介護施設とカラオケ店、飲食店を展開している。保有物件をREITに売却して現金化し、次の物件取得に充てるなど資金効率を重視。

オープンハウス(東1・3288)
1640円(100株)
時価総額:460億円
ROE:25.2%
PER:6.8倍
PBR:3.38倍
配当利回り:2.13%

東京と神奈川が地盤の不動産販売業者で、昨年9月に上場したばかり。投資ファンドの保有株が多く、株価の上値余地は大だ。

東日本ハウス(東2・1873)
440円(1000株)
時価総額:202億円
ROE:37.4%
PER:4.0倍
PBR:1.50倍
配当利回り:3.40%

岩手県に本社を置くが東京にも本社があり、西日本でも事業展開。来年10月の消費税率10%への引き上げまで、住宅市場の好調が見込まれる。

帝国繊維(東1・3302)
1201円(100株)
時価総額:326億円
ROE:16.1%
PER:7.4倍
PBR:1.48倍
配当利回り:1.66%

消防用ホースなど特殊繊維品や消防車を生産。不動産事業も収益を下支え。政府による防災対策強化で、特需が見込まれる。

※データは2014年2月6日現在。ROEとPBRは実績、PERと配当利回りは予想。JQ=ジャスダック。*1…TPP=環太平洋経済連携協定。 *2…REIT=不動

小川佳紀(おがわ よしのり)
フィスコ 株式アナリスト

岡三証券を経て現職。フィスコ「MARKET MASTERS」では中小型株とIPO株に特化した銘柄推奨を行ない、好成績を持続中。



この記事は「WEBネットマネー2014年4月号」に掲載されたものです。