「ネットで知り合って結婚」は全体の1/3、離婚も少ない:米調査

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Image:Don Hankins/Flickr

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米国で2005年以降に結婚した人の1/3はオンラインで知り合い、そのうちのほぼ半数は、マッチングサイトを通じて出会っていたという調査結果が発表された。さらに、オンラインでの出会いから始まった夫婦は離婚が少なく、結婚生活にも満足しているという



この数字は、インターネット・マッチングサイト「eHarmony」がスポンサーになって行われた調査によるものだ。



研究に添付されている「conflict of interest statement」(研究の客観性に影響がある可能性がある状況の説明)によると、この調査に関わったグループには、eHarmonyの科学アドヴァイザーが含まれていたという(eHarmonyは、心理学的に有効性が証明された性格診断を基にマッチングを提案すると広告で謳っている)。だが調査グループは調査を行う前に、どのような結果が出ようとも彼らの分析結果を公表することをeHarmonyに約束させ、さらに外部の統計学者に調査の有効性をチェックしてもらったという



調査は2005年〜2012年に結婚した19,000人以上を対象にしている。実際の調査はオンラインで行われたが、回答者をみると米国の人口を代表する幅広い層が対象になっていることがわかる。



全体的に見ると、同期間に結婚した人のおよそ1/3は、オンラインで始まった関係から結婚まで発展したという。そのうちの45%はマッチング系サイト、20%はソーシャルネットワーク、10%はチャットルームを通じて知り合っていた。電子メールやブログ、インスタントメッセージのようなものから交際が始まった割合は、すべて合わせても5%以下にとどまった(オンラインゲームで知り合ったという回答は3.6%だった)。年齢の高い層は電子メールを使い、若い層はソーシャルネットワークのほか、ゲームなどの仮想世界で出会う傾向が高い。



現実世界での出会いのきっかけは、さらに回答が多岐にわたっていた。「職場で知り合った」「共通の友人を介して」がそれぞれ20%ずつ、「同窓会」「パーティ」もおおよそ10%ずつとなっている。



離婚や別居という結末を迎えたのは、「オンラインでの出会いから結婚に至ったケース」では6%以下だったのに対し、「現実世界での出会い」では7.5%以上だった。



婚姻関係が続いている人のなかでは、オンラインで知り合った人のほうが結婚後の満足度が高かった。結婚に満足している人たちは、30歳から50歳で仕事をもち、金銭的に安定した人たちでもある。



ヒスパニック系やアジア系のほうが、オンラインでの出会いから、より大きな恩恵を受けていた。こうした結果はどれも人口統計学的要因を調整することで若干修正はされるが、それでも明らかな違いは出てくるという。



さらに調査は、結婚生活で満足を得たい場合に避けるべき要素も提供している。オンラインの場合は、チャットルームや仮想世界。オフラインの場合は、ブラインドデートやバー、勤務先での出会い。これらはよい影響を持たないようだ。



オンラインで出会うことに、なぜよい影響があるのだろうか。調査グループは特定の性格を見いだせてはいないが、オンラインでコミュニケーションする人は自分自身の情報をより積極的に公開することが過去の調査からわかっており、そのことが将来のパートナーを評価するのに役立っているのかもしれないと述べている。さらに勤務先や友人を通して出会うより、広い範囲の人々からパートナーを選ぶことができることも明らかだ。



eHarmonyと「Match.com」の2サイトで、マッチング系サイトから結婚に至ったカップルの半数を占めている。僅差で第3位につけたヤフーのシェアは7%に過ぎない。ただし、結婚生活での満足がそれぞれのサイトでどう違うかというと、最初は若干の違いがあるように見えるが人口統計学的要因を調整するとその違いは消え去るという。従って、この調査に関するかぎり、マッチングサイトはどれも似たようなもののようだ。そしてそれらはどれも、チャットルームよりはよさそうだ。




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