Kさん:僕は証券会社で投資信託を買って保有しているのですが、周りにきいてみると、投資信託のことをよく知らない人が多いようです。

馬養氏:そうですね。今日もKさん以外の人は預貯金しか利用したことがないとのことなので、投資信託について少しご説明しましょう。

投資信託というのは、投資家から集めたお金で”ファンド”を作り、その資産を専門家が運用してくれる金融商品です。何に投資するかはファンドごとに決まっています。例えば”日本の株に投資するファンド””先進国の債券に投資するファンド”など、投資対象によっていろいろな種類があります。

投資信託の基本的な考え方は”分散”です。ある会社の株に運用資金を全部つぎ込んでしまうと、その株が大きく値下がりしたとき資産全体が目減りしてしまいます。その会社が破たんして株の価値がゼロになってしまう可能性もありますよね。その点、投資信託は最低でも30銘柄(社)くらい、多いものでは1,000銘柄以上の株に分散投資します。その中に株価が大きく下がる銘柄があっても、他の銘柄が上がっていればファンドの価額の値下がりの幅は小さくなります。逆に大きく値上がりする株があった場合は、その株をファンドで買うよりその株そのものを買ったほうが大きな利益が得られることになります。分散投資というのは、大きく値上がりすることをねらうというよりも、大きく値下がりすることを抑える仕組みといえますね。

Mさん:株のように価値がゼロになることもないわけですね。

馬養氏:その通りです。一度に大きく儲けるのではなく、利益を少しずつ積み重ねていく形になるので、401kのように20〜30年かけて資産を作っていくのに向いているわけです。複利効果は運用期間が長いほど高いので、できるだけ早く始めたほうがいいということになります。