2月8日より、鹿児島、宮崎、熊本で合宿を行なっているU17日本代表を率いる吉武博文監督に話を聞けたので紹介します。

吉武監督には2月12日に話を聞きましたが、そこまでの合宿について順調ではないと述べられ、その理由を教えてくれました。以下、その言葉になります。

○吉武博文監督

Q:ここまでの合宿は順調でしょうか?
A:順調ではないですね。新しい子もいるし人数が多いので掌握するのがすごく難しい。でもスタッフが沢山いるので浸透させようというものはある。

対戦相手が大人のチームということで、世界大会とは状況は違うこともたくさん出てくる。本当は世界大会モードでやりたいんだけど、対戦相手が全然違うから何をというと、それに適応するかしないか、というところを選手たちに落とせたらというところですね。

Q:状況判断を身につけさせるというか...。
A:大局観というか、全体、90分の流れ、45分の流れ。それから1日の生活のしかた。この1週間の中でだれと食事して、とか、何をどうするのか、ということを含めて...。それは品行方正な子どもというわけではなくて、ピッチでパフォーマンスを上げるために何をしなければならないのか、という事が24時間体制でやれたらいいな、ということを考えています。
1ヶ月くらいの世界大会に行くと、長丁場になるのでその中で10日のうち、1日しか力を発揮できない選手よりも、10日間あったら7日間、8日間にコンスタントに力を発揮できる子のほうが力的には、能力的には上だという評価をしたいと思っています。

Q:ピッチ外の部分にも着目した合宿であると。
A:はい。そうなるとピッチ外がすべてかというとそうではなくて、ピッチ内がダメならダメだからね。ピッチのために、外があるということですよね。ピッチの中では2時間しかできない。あとの22時間をどう過ごすのかが大事になりますよね。そっちのほうが長いので、もしかすると大事かもしれないですよね。ちゃんと寝たり、選手同士で話ができたり、そういう事が大事になります。

Q:13日の練習試合について、その目的を教えて下さい。
A:大学選抜とやりますが、対応できるかどうか、適応できるかという部分ですね。いまのところ3試合をやってほぼ保持率では相手が高くて、ずっとボールを回されているんですね。でもサッカーだから、1回もボールを取っていない訳ではない。1回ボールを奪ったらもっと長く保持したいし、ゴール前まで必ず行きたいということで、保持率を半分くらいに、できれば上回るくらいに出来たらいいんですけどね。

フィジカル的には当然相手が上ですし、ハイプレッシャーにはなると思いますが、それはいくらハイプレッシャーであろうとも守っていないところはあるので。オフサイド(ルール)がある限り、ハーフウェーラインよりも前はオフサイド、というふうな条件がある限り、相手がどれだけフィジカルで強かろうが、人数は11人なので、守っていない場所は必ずある。それをうまく突いて、でも一人じゃダメなので、みんなでね。一人がそこをわかっていても、そこにパスを出す選手がわかっていないと、全然だめだから68m、105m(ピッチのサイズ)の守っていないところをいかに攻めてゴール前まで行けるかということ。

ただ、本当はそれはどうでもいいことで、僕らにしてみると。ゴール前までは当然行くだろうと。ボールをもっている方が有利なので。フィジカルゲームではない。芸術だと思っているのでね。ちゃんと状況を把握して、空いてるところにボールを運べれば、ちゃんと論理的にわかっていればハーフウェーラインは超えるだろうと。やりたいのはそこからなんだけど、今のところ対戦相手のプレッシャーが厳しくてそこまでいかない。それが一番不満なところですね。

シュート練習だけではゴール前はうまくならないので。点を取るゲームなので。やっぱり点を取れないといけないので。そうなった時にはゴール前の時間をできるだけ長く作りたい。というのが今できてないのがすごく悔しいというか。だから順調ではないという話になります。

Q:スタッフにも入れ替えがありましたね。
A:そうですね。いろんなことがあるので、新しいスタッフが入れば、それなりに新しい情報も入るし、選手の接し方も違う角度から、目指す方向は同じだけど、違う角度からのアプローチができる。刺激でしか無いので、いろんな刺激を与えられるというのはすごくいいことだと思っています。