歓喜のセ・リーグ優勝決定、そしてビールかけから一夜明けた22日、ジャイアンツは川崎市のジャイアンツ球場で恒例の入団テストを実施した。

明日の「巨人の星」を目指す精鋭達が遠投、50m走、シートノック、フリー打撃でアピールした。

ジャイアンツの入団テストを受けに54人の精鋭がジャイアンツ球場に集まった。受験者はまずポジション別に遠投のテストを受けた。
二人一組で、交互に二球投げる。センター方向にはジャイアンツのスカウト達がおり、ボールの飛距離を記録している。入団テストはジャイアンツでは基本的にスカウト部が仕切る。今日は一軍が東京ドームで、二軍が平塚球場でそれぞれデーゲームを行うが第二の二軍ら残留組とそのコーチがジャイアンツ球場にいるはずだが、彼らは室内練習場で練習していたようだ。

遠投の後は50m走(冒頭の写真)。これもポジション別で、五人一組でヨーイドン。こちらは一回のみの計測で、ゴール側にスカウト達がストップウオッチを持って立っている。受験者はここまでは全員が受けられるが、ここでふるいにかけられる。

残ったと思われるのは投手で7人と、内野手と外野手の合計で14人。捕手は最初からいなかったのかも…。

この後、何故か単独の受験者が現れ、50m走に挑戦した。
そばで見ると長髪にインフルエンザが流行していた頃によく使われていたマスクを口にかけている怪しい風情。テレビ番組か何かの企画ものという感じだったがそれらしいテレビカメラはなかった。走った後にもスカウト陣のタイム計測を覗き込むなど一般受験者とは思えぬふるまいをしていた。

投手はいつもジャイアンツがイースタンで使用しているライト奥のブルペンで投球テスト。7人のうち左投手は1人だけだったようだ。
なお、一塁側のライト寄りのスタンドを開放しなかったので近距離から見る事は出来なかった。

野手は外野陣、内野陣の順にそれぞれのポジションでノックを受ける。ノックをするのは井上真二スカウト。前述したように二軍や第二の二軍のコーチではない。本人が「昔取った杵柄…」と言っているほどだった。

どこの球団でもスカウトは元選手がほとんどだが、この日は他に柏田貴史、吉武真太郎、織田淳也の姿があった。ちなみに大森剛はスカウトではなくファームのディレクター。偉いのだろう。
例えば他のスカウト達が50m走のラインを引いていても手伝うそぶりを見せず。腕を組んで見つめるだけ。

外野のノックは捕れるか捕れないかのぎりぎりの飛球を打つのではなく、安打性の打球を放ち、スローイングを試している感じだった。目に付いたのは214番のレーザービーム。
ま、中には三塁へのスローイングで悪送球してスタッフに送球を直撃する恐ろしい選手もいたが…。
内野のノックは各自に好きなポジションを守らせて井上ノッカーがノック。いわゆる5−4−3や4−6−3の併殺プレイなども試された。

最後は打撃テスト。前述の吉武スカウトが投げるボールを、一人5スイング。これを二回。
中に約一名、7〜8球続けて打つ強者がいた。
唯一の外国人選手で指示が伝わらなかったのだろうか?

最後に指名された数人の受験者が再び打撃テスト。今度は吉武からカーブとストレート、スライダーを予告された上で打つ。

これでテスト終了。スカウト達が厳正に審査。

審査結果を三塁ベンチで待機する受験者に通告。ジャイアンツの公式HPによると、投手2人、内野手2人、外野手2人の計6人が通過した模様。敗戦処理。が注目したレーザービームの外野手214番と好打の175番はどうだったのだろう?175番は変化球混じりの打撃テストでは苦戦していたようだが…。この中から今秋のドラフトまたは育成ドラフトで指名される選手がいるのだろうか?

昨年のこのテストでは現在育成選手の芳川庸が捕手で合格した他、最近では谷内田敦士もこのテスト出身。ともに育成ドラフトでの指名。谷内田は支配下選手登録されることなく、既にユニフォームを脱いでいる。仮に合格しても、そこから先はまた狭き門というのが実態なのだろう。

ジャイアンツで入団テストを受けての入団から主力選手になった例では星飛雄馬が思い出されるが、その星にしても、甲子園の準優勝投手で知名度は抜群。当時よりはるかに情報網も発達している事を考えると、今時、入団テストで初めて注目を集める原石なんてものはいないのかもしれない。

でも、家から近いと言ってしまえばそれまでだけど、観に行っちゃうんだよなぁ…。