ソウルの日本大使館の前に設置された従軍慰安婦の少女像に「竹島は日本固有の領土」と書かれた木の杭をくくりつけるなどした動画が20日、インターネット上で公開された。18日にはソウル市内の「戦争と女性人権博物館」の入り口付近に同じ杭が打ち込まれており、韓国内に波紋を広げている。韓国の複数のメディアが報じた。

 韓国メディアは、「慰安婦の少女像にも『日本の領土』の杭」「慰安婦の少女像に『竹島は日本の領土』と杭テロ」などと題し、極右の日本人男性が日本大使館の前の少女像に杭を設置しようとする映像をインターネットに流し、少女像を冒とくするなどの蛮行を犯したと伝えた。

 動画では、1人の男性が少女像の横に「竹島は日本の領土」と書かれた長さ約90センチメートルの杭を置いた。棒が立たなかったため、ひもを持ってきて像にくくりつけた。警官の制止はなかったという。

 また、この動画をアップロードした日本人は、は日本の極右派の活動家である鈴木信行氏と確認されたと説明。

 韓国警察は、博物館で発見された杭と少女像に結び付けられた杭が酷似しているため、同一人物の犯行と見て捜査に入った。関係者は「少女像に杭を結んだことは、器物損壊などの疑いを適用できるが、外交的な交渉が必要」と述べたという。器物損壊罪は必ずしも建造物などに物理的な破損を加えなくても、落書きやビラを貼りつけるといった行為だけでも成立すると指摘した。

 一方、ユン・ミヒャン挺身隊問題対策協議会代表は、「40代の男性が主導的に行動し、20代の男性が撮影をしたようだ。自分たちは誇らしい行為だと思っているようだが、これらが道徳的にも歴史的にもどれほど無知であることか、確認してみてはどうか」と批判した。(編集担当:李信恵・山口幸治)