韓国の水原地裁は15日、4月に発生した女性バラバラ殺人事件の被告に対して、殺人と遺体棄損の罪で死刑を言い渡した。裁判では殺害の目的が「人肉密売」にあった疑いもあると指摘した。韓国の複数メディアが報じた。

 被告の呉元春(オ・ウォンチュン)は4月1日の夜、帰宅中の被害女性を自宅に連れ込んで殺害し、遺体を365個に切断した。取り調べでは女性に性的暴行を加えようとしたが、抵抗されて失敗したことから、殺害したと供述した。

 裁判所は「犯行が計画的で、手段が残忍」「反省もない」として死刑判決を下した。さらに、殺害目的をめぐっては被告供述の性的暴行ではなく、人肉の提供にある疑いが強いと指摘した。

 その理由として、遺体を6時間もかけてほぼ均等に切断したことや、内臓や骨は傷つけずに切断の部位がなめらかで包丁のみで行ったこと、縛られた女性の抵抗で性的暴行に失敗したという点も常識的に納得できないなど不審点が多い。ただ、犯行を決定づける証拠はなく、裁判では「可能性が高い」との指摘にとどまった。

 呉は中国の朝鮮族出身で、2007年に韓国に入国。呉が転々としていた地域では女性の失踪・殺人事件が多発していたことも判明。韓国では組織的な犯罪の可能性があるとして、徹底的な捜査を求める声が上がっている。(編集担当:金志秀)