女優の瀧本美織が、テレビ『笑っていいとも!』でNHK連続テレビ小説の主役に抜擢された時のエピソードを明かした。ドラマの関係者がオーディションからいかに入れ込んでいるかが分かるその内容には、ベテランのタモリも驚いていた。

瀧本美織は昨年放送されたドラマ『美男ですね』(TBS系)に主演して話題となったが、彼女の知名度を上げたのはやはり2010年のNHK連続テレビ小説『てっぱん』だろう。

3月18日の『笑っていいとも!増刊号』では、6日のテレフォンショッキングに登場した彼女のCM中のトークが公開された。

『てっぱん』のオーディションには1424人の中から主役に選ばれたのだが、瀧本はその競争率の高さを後から知って驚いたという。

オーディションでは審査員の前で女子5〜6人で鬼ごっこをしたり、「台本をお笑い芸人風にやって」と指示され「どうも〜瀧本です〜」とやったりしたそうだ。『てっぱん』の舞台が大阪なので、そうした内容となったのだろう。

そんな様子を聞いてオーディションを経験したことが無いタモリも感心していたが、さらにその結果の発表方法に驚かされたのである。

最終オーディションを受けて1か月ほどすると、瀧本へ「朝ドラのオーディションはダメかもしれないから、とりあえずリポーターの仕事をやって」と連絡があったのだ。

彼女は大阪のNHKへ向かい、カメラの前で「リポーターの瀧本美織です、頑張ります!」とあいさつしていると、カメラさんが「朝ドラ受かったんだって?」と話しかけてくるではないか。

「いえ、まだ決まってないんです」と彼女が返していると、スタジオのドアが開いてプロデューサーやスタッフ一同が登場。花束を渡しながら「ヒロインは君に決まったよ。おめでとう!」と知らされたのだ。

瀧本美織はそんな状況を思い出しながら「ビックリして泣いちゃいました」と語ったが、無理もないだろう。タモリやスタジオの観覧客も、その素晴らしい演出に感激していたほどである。

視聴者はテレビ番組や映画を完成した状態で観て楽しむのだが、制作者は撮影以前から様々な工夫をして出演者との関係も積み上げていく。そしてそれが作品に大きく影響するはずだ。そんなスタッフの陰の努力を思わせるエピソードだった。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)