あの中村俊輔が「和風メッシでしょ」と呼ぶ男がいる。

2011年、期限付き移籍で愛媛FCに移ると、J2ながら14得点を挙げ「愛媛のメッシ」とも呼ばれ、2012年シーズンから横浜F・マリノスにカムバックを果たすと、与えられた背番号は11番。J1開幕戦=柏レイソル戦では、いきなり得点を挙げ、チーム&サポーターの期待に応えてみせた。

齋藤学、21歳。ロンドン五輪出場を懸けた最終予選では、シリアに敗れて背水で迎えた第5戦のマレーシア戦で初の先発出場、4点目のゴールも奪っている。15日放送、フジテレビ「すぽると!」では、「どん底からの復活」と題し、自らレンタル移籍を志願し、成長を求めた齋藤に話しを訊いた。

ロンドン五輪出場を決めるも、「嬉しい思いと悔しい思いが半々って感じです。いやー、今日点獲れるところあったな。自分で行けば良かったな」と振り返る齋藤。VTRで齋藤の印象を語った俊輔は、「プレー一つでも迷いなくできているし、いいピースにというか、そういう感じになっている」と、すでにマリノスに欠かせない存在であると評す。

だが、18歳でトップチームに昇格するも、毎年リーグ戦で出場機会を得ながらゴールは0。「全然うまくいかなくなって、自分のプレーが出せなくなって、消極的になった。やれるなっていう思いが、過信じゃないですけど、高校生のままで上がっちゃった分、壁にぶつかった時に破るだけの力がなかった」と反省した。

「レンタルでいいから一年間(他のチームに)行きたいという話は自分からしました。そう簡単には帰ってこれないような状況に行こうかな。違うチームを知るというのは人として大きくなれるかなって」と、当時の決意を明かした斎藤。その後の活躍は前述した通りだが、U-23日本代表でもサイドハーフはタレント揃い。「7番手くらいじゃないですか。メチャクチャいるじゃないですか」と苦笑いを浮かべる。

それでも、五輪決定後も「自分はラスト10分くらいしか出れなかったのと、その10分でも結果を伴えなかったのは悔しかったですね」と決して満足しない21歳は、「メディアの方々が取り上げてくれて、世間的には盛り上がっていますが、まず僕達はJリーグで活躍しないと次また選ばれる保証はないので、マリノスで結果残すのが一番」と意気込んだ。