燃える、錆びない!スパイスで無敵の女
 写真一覧(11件)

キャミソール1枚でも滝汗の日があるかと思えば、急に肌寒くなったり。残暑の気温フリーフォールについていけない体にしみじみ年を感じつつ、心身ともにすっかり夏バテ気味…なんて働き女子も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな疲れた女子の体とハートを目覚めさせ、しかも女子力をぐっと押し上げてくれる、スパイス料理を特集。
場所は今話題のスポット、アジアンタウン大久保!

大久保界隈と言えば、近年のブームにのってすっかり韓流ファンの聖地と化しましたが、実は韓国だけじゃなく、アジア料理全般の激戦区。
数あるアジア料理の中でも、特に夏に食べたくなるアジア料理の代表選手、タイ料理とインド料理から、女子にオススメのスパイスを使った逸品を紹介します。

か、辛っ…でも旨! 刺激たっぷりトウガラシで燃える女に


タイ料理といえば、すっぱ辛い、甘辛い…とにかく、辛さが命。その辛さの秘密はもちろん、真っ赤なトウガラシです。

ソムオー 新大久保店トウガラシに含まれるのは、食欲増進、血行促進、新陳代謝を高めるなど、とにかく“燃やしてやる!”意気込みが感じられる成分、カプサイシン
夏ヤセどころかアイスの食べ過ぎで…なんて女子の体にうれしいスパイスです。

そんな、トウガラシをたっぷり使用した女子に人気の料理を求めて、タイ料理店「ソムオー 新大久保店」に行ってきました!


ラープ・シーフード

「ラープ・シーフード」1000円

魚のすり身だんご、えび、いか、貝などの魚介類を素材に、パクチータイ、パクチーファラン、フレッシュミントなどの香草をモリモリ合わせ(香草好きにはたまらない!)、上からもち米をすりつぶしたカオクアとレモン汁、そしてトウガラシ・パウダーをたっぷり。
「結構辛いので、添えてあるキャベツをつまみながらどうぞ」という平山店長の言葉通り、口に入れるとピリっとした辛さが際立ちます。軽いのどごしのタイのシンハービールと相性抜群で、気が付けばシーフード→キャベツ→ビールがエンドレスに……。
香草が多いためか、後をひく辛さではないので、辛いものがちょっと苦手な女子も、「刺激がほしい……!」と感じたら、ぜひトライしてみてほしい料理です。

そして今回は、辛いもの好き女子を自負する猛者が挑戦してほしいもう一皿をご紹介。それが、こちら。

「ソムタム・タイ」890円
ソムタム・タイ

見た目も爽やかな青パパイヤのサラダですが、トウガラシ・パウダーよりもさらに強烈な生のトウガラシがてんこ盛り。恐る恐るひと口…か、辛い! …はっきり言って激辛です。
「タイではとてもメジャーなサラダ。日本人の女性にもとても人気がありますよ」(店長)…本当でしょうか? 思わず疑ってしまうほどの辛さです。さらに厨房から女性シェフが「日本人に合わせて辛さ控えめにしてあるんです。タイではもっと辛いですよ」とのこと……。
しかし! 鼻水をふきふきひと口、ふた口食べ続けるうちに、その刺激が後を引き、気付けばまたもややみつきに。

完食した後は、お腹の中が燃えるように熱い…! 心なしか脂肪も燃焼されている気がします。カプサイシン効果は副交感神経にもきちんと行き届き、脳みそからも「やったるでー!」と関西弁的アドレナリンが噴出。

心身ともにパワーダウンしている女子、ぜひタイ料理で、トウガラシのパワーを食すべし!

トウガラシトウガラシ
別名チリ。原産地は南米で、コロンブスによってヨーロッパにもたらされた。カプサイシンが胃腸を刺激し、消化促進、食欲増進、血行促進などの効能が得られる。さらに同成分が副交感神経にも働きかけ、アドレナリンの分泌を促す。一節には脂肪分解の促進などの効能もあるともいわれている。

ソムオー 新大久保店タイ料理『ソムオー 新大久保店
タイ人の女性が料理長を務め、タイ国総務省お墨付きという本格タイ料理が味わえる。歌舞伎町と高円寺にも系列店あり。


お疲れ気味の胃腸に効く インド・スパイスで錆びない女に


インド料理といえば、カレー…そんなベタすぎるインドビギナーからワンランク上のインド通を目指すなら、ここ「南インド料理 ティファン・ムット」へぜひ。
インド料理の中でも、南インドのメニューに特化したこちらのお店では、同地出身のオーナー、ムットさん手作りの「ミールス」が食べられます。

南インド料理 ティファン・ムット

ミールスとは、「ランチの食べ物」の意味。銀のプレートに、ライスと少量ずつさまざまなおかずを盛り合わせ、かけたり混ぜたり、いろんな味を楽しむのが南インド風。
南インド料理の中でも特に欠かせないスパイスをムットさんに聞くと、「ターメリック(うこん)」との答えが。日本では、二日酔いの特効薬として有名ですが、ターメリックに含まれるクルクミンには抗酸化作用、つまり、しみ・しわを防ぎ、紫外線から肌を守る効能もあるそう。さらにインドでは、さまざまな効能に着目されているようです。
「インドでは、目の痛みや充血を取り除く効能があるスパイスとして使われています。もちろん、食べ過ぎや飲み過ぎの時の消化促進にも。また、女性はパックとしても使うんですよ」(ムット店長)。
そのターメリックがふんだんに使用された「ゴールデンベジミールス」1800円は、野菜を中心にしたヘルシーなひと皿。特に女性客に人気だそう。

ゴールデンベジミールス

見た目も楽しいミールスは、中央左下から反時計回りに、サンバル(野菜カレー)、プレーンヨーグルト、ラッサム(スープ)、ラッドゥ(豆を揚げたデザート)、ココナッツのチャクニソース、イリィフライ(お米の揚げパン)、ジャガイモの野菜炒め、アウィエル(茹で野菜)、パルプトク(豆の炒め物)、――が、一度に楽しめるゴージャスプレート。
特に、ムットさん一押しが、ターメリックをはじめクミン、マスタード、コリアンダーなど、さまざまなスパイスが投入されたスープ、ラッサム。
「消化促進に最適で、女性はダイエットにもなります。インドでは風邪をひいたときにも飲むスープです」(ムット店長)。
お味はというと、予想外にすっぱい! そしてピリ辛! このすっぱさはタマリンドというトロピカルフルーツのものだそうで、これまでのインド=カレーの常識を覆す未知の味。でもこのピリ辛すっぱさが、なんだかクセになるわぁ……じんわりと疲れた胃腸に染みわたるよう。

タヒル・パチャリ「辛いと感じる人は、ヨーグルトと混ぜてご飯にかけるとちょうどいいですよ」(ムット店長)
ご飯にヨーグルトとは、またしても衝撃ですが、聞けばインドでは「ヨーグルトは食事に欠かせない」そう。日本でいうと、お味噌汁みたいなものでしょうか?

そんなヨーグルトを使った料理をもう一品ご紹介。サラダとして食べる「タヒル・パチャリ」420円は、にんじん、たまねぎ、きゅうり、ピーマン、トマトの生野菜の上に塩と少量の砂糖、そしてヨーグルトをたっぷりかけた料理。さっぱりした口あたりで、ヨーグルトと生野菜の新たなコンビネーションに脱帽です。

「上から炒めたクミンをかけることも。お腹にいいし、食べた後はよく眠れるので、インドでは夜食べるサラダです」(ムット店長)


温かなムットさんの人柄にも触れ、ディープな南インドをたっぷり堪能した後は、心も体もポカポカ。
夏の終わりの疲れた胃腸とお肌を癒しに、ぜひ大久保の南インドへ足を運んでみてください!

ターメリックターメリック
別名ウコンとも呼ばれる。原産はインド。カリウム、鉄分、ビタミンCを豊富に含み、色素成分クルミンによる抗酸化作用、食欲不振・消化不良の改善、紫外線から肌を守る効能など、さまざまな効果があると言われているスパイス。

クミンクミン
カレーの風味の元となる主要なスパイス。食欲増進、消化促進、腹痛や下痢・吐き気の緩和などの効能がある。古代エジプトでは、お腹のハリの改善やおならを予防するための治療薬として重宝された。

南インド ティファン&レストラン ムット南インド ティファン&レストラン ムット
マンションの一室のようなこじんまり&ディープな雰囲気の店内で、数種類の「ミールス」をはじめ、本格的な南インド料理が楽しめる。今回取材したのは2号店。1号店では、窯焼きのナンも味わえる。


〈写真:廣瀬育子(『ソムオー』)、masaco(『南インド ティファン&レストラン ムット』)スパイス写真提供:山羊印スパイス 文:K-Writer's Club 斉藤彰子)