日本政府が盗難文化財2点について韓国政府に再調査を要請したことが9日報じられ、韓国では日本政府の要請に非難が続出した。同国メディアは「ずうずうしい」、「このタイミングでの再調査要請には下心がある」などと、不快感を顕(あら)わにした。

 日本政府が韓国政府に再調査を要請した「高麗版大般若波羅蜜多経」と「絹本著色阿弥陀三尊像」について、韓国メディアは「日本にあった高麗文化財」という表現を使用、「そもそもどのような経路で日本に渡ったか把握されていない私たちの文化財」と指摘した。

 関連報道の多くは再調査を要請したタイミングに焦点を当てた。「高麗版大般若波羅蜜多経」については1998年に日本政府が一度調査を依頼したことに言及、「日本の主張を立証する根拠がなく終結」、「再調査の必要はない」との見方を示した。

 その上、「朝鮮王室儀軌」などの図書の引き渡しを控えているこのタイミングでの要請について「韓国政府は自民党と右翼勢力の意図に関係するとみている」と伝えた。「絶妙な時期に出た日本の再調査要請に疑問が残る」、「ずうずうしい」、「無茶な要請」などと非難が相次いだ。

 同話題の社説では日本の再調査要には「下心がある」と批判。「韓国から返してもらう文化財があると強調して、一方的な加害者という立場から脱出したいと意図」があり、「『朝鮮王室儀軌』を返すことで、文化財返還の議論を終わらせたいとの計算がある」と論じた。社説は「文化財の返還は始まりにすぎない」とし、韓国政府に対して「毅然(きぜん)とした姿勢で文化財の交渉にのぞんでほしい」と求めた。(編集担当:金志秀)



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