インテルのマッシモ・モラッティ会長は明言していないが、ラファエル・ベニテス監督の問題を解決するための交渉は進んでいる。同監督の代理人であるマヌエル・ガルシア・キロン氏は22日、インテルのリナルド・ゲルフィ副会長と会談を行った。

マルコ・ブランカTD(テクニカルディレクター)やクラブ弁護士のカペッリーニ氏らも同席した会談を終え、キロン氏は「我々は楽観的でも悲観的でもない。交渉をしているところだ。明日(23日)、また会うよ。これ以上は言えない」とコメント。契約解消に向けた交渉は23日にも続くようだ。

一方、マッシモ・モラッティ会長は同日昼、次のようにコメントしている。

「私は誰とも話していない。今の我々は、この少し混乱した状況を理解しようと努めている。予期せず起こったことで、あらゆる点を検討している。ニュースがあるなら、君らが知らせてくれ。誓うが、私にはほかにやるべきことがあったし、何も知らないのだからね」

ベニテス監督がまだインテルの指揮官かと問われると、モラッティ会長は「そこにいる間は…」と答えた。一方で、元ミランのレオナルド監督とのコンタクトは否定している。

モラッティ会長が言う「混乱した状況」とは、2012年までのサラリーを支払わずにベニテス監督との関係を終わらせたいという希望を示している。ポイントとなるのは、ベニテス監督に対する600万ユーロ(約6億6000万円)の報酬だ。インテルにとっては税込みで1200万ユーロ(約13億2000万円)の支払いとなる。

昨夏にベニテス監督と結んだ2年契約では、税別で年俸400万ユーロ(約4億4000万円)となっている。2011年5月15日から6月15日の間にクラブが契約を解除する場合、2年目のサラリーを支払わなくてよいという条項があるが、インテルがそれまでにベニテス監督を解任する場合、すべての報酬を支払わなければならなくなる。

そのため、この段階でインテルがベニテス監督との関係を終わらせる場合、600万ユーロを支払わなければならないというわけだ。モラッティ会長はこの金額を支払いたくないと思っている。

なお、ベニテス監督がバカンスを過ごしているリヴァプールでは、古巣リヴァプールのサポーターたちが、同監督の自宅前で指揮官への愛情を示した。「ラファ、頼むから家へ戻ってくれ」「ラファはリヴァプールのもの。you'll never walk alone」といった横断幕が掲げられている。だが、現在リヴァプールを率いるロイ・ホジソン監督は、「ベニテスのことは心配していない」と話した。

また、インテルは監督問題とは別に、今冬最初の補強に向けて動いた。ジェノアと共同保有するDFアンドレア・ラノッキアのことだ。22日、インテルの“財務大臣”であるゲルフィ副会長のオフィスで、ラノッキアの代理人であるティンティ氏、ジェノアのカポズッカSD(スポーツディレクター)と会談している。ブランカTDも会談に加わった。

だが、1時間に渡る会談後、カポズッカSDは「クリスマスのあいさつに来ただけだ。ラノッキアの話はしていない」とコメント。ラノッキアがジェノアの選手かと聞かれると、「そうだ」と答えている。