ルチアーノ・スパレッティかレオナルドか? これがインテルのマッシモ・モラッティ会長が抱いているジレンマだ。クラブ・ワールドカップ決勝後のラファエル・ベニテス監督の不満爆発と、同監督との関係崩壊は、まず指揮官との離別へとつながった。

インテル首脳陣が最近、ゼニト・サンクトペテルブルクのスパレッティ監督とコンタクトをとったことは、もはや秘密ではない。ゼニトはジェノアDFクリッシトやフィオレンティーナDFフェリペを狙っていたが、ここへ来て交渉のペースが遅くなっていると報じられている。それだけではない。スパレッティ監督はイタリアからオファーが届いた場合、移籍できる“約束”を手にしているのだ。

ゼニトのオーナーである『ガスプロム』との外交的な関係をコントロールする必要はあるだろう。いずれにしても、モラッティ会長はベニテス監督が出て行くことにあまり左右されたくないと望んでいる。焦りが間違った判断につながる恐れがあるからだ。

イングランド代表のファビオ・カペッロ監督を招へいする可能性はあまりない。一方で、チェルシーからの誘いとバルセロナとの契約延長で揺れているペップ・グアルディオラ監督を待ちながら、いわゆる“橋渡し役”に託すという解決策は残っている。その点では、モラッティ会長が最も熱い視線を送っているのが、元ミランのレオナルド監督だ。

モラッティ会長はレオナルド監督がミランで良いシーズンを過ごしたことだけでなく、ベルルスコーニ・オーナーの批判に対する彼のパーソナリティーも評価している。レオナルド監督はインテルのレジェンドであるワルテル・ゼンガ監督や、ベッペ・バレージ現助監督よりも好まれているようだ。

後任監督を誰にするかは別にして、インテルは負傷したサムエルの代役となるDFの獲得に動くつもりだ。そのため、ジェノアDFラノッキアの獲得を実現すべく、モラッティ会長とジェノアのプレツィオージ勝ち要の会談が近く行われるだろう。同選手は両クラブが共同保有しており、プレツィオージ会長は1月の放出に1200万ユーロ(約13億2000万円)を求めている。

プレツィオージ会長は19日、1月にラノッキアを放出したくないと話したが、モラッティ会長が提示額を上げた場合はどうだろう? 現時点でインテルがオファーしているのは800万ユーロ(約8億8000万円)。さらにもう少し金額を上げることで、プレツィオージ会長を迷わせることになるかもしれない。